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なぜ大企業でも不正を見抜けない?「紙監査・Excel属人化」が招くガバナンスの死角
日本を代表する大手企業での不正、不祥事がなくならない。先日も、KDDIのグループ会社による架空循環取引が発覚したばかりだ。資金も人も十分なはずの大手企業で、なぜこうしたことが繰り返されるのか。企業ガバナンスやAI活用に詳しい第一ライフ資産運用経済研究所 柏村 祐氏とNTTデータの伊藤 早紀氏に、その実態と背景、AI時代に求められる監査・モニタリングの現実解を聞いた。大企業でも不正を見抜けない…“分業化”と“形式主義”の落とし穴
では、日本を代表する大手企業でも、なぜ不正や不祥事は防ぎきれないのか。AIを中心とする最新テクノロジーがビジネスや社会に与える影響やリスクについて研究を続けてきた第一ライフ資産運用経済研究所 政策調査部 主席研究員 柏村 祐氏は、現代の企業に共通する構造的な課題として、「分業化」と「形式主義」を挙げる。
「大企業であるほど部門が分かれて組織が複雑化しています。さらに、グループ会社、子会社、委託先、海外拠点などもあり、ビジネス全体の流通が複雑化していることが、不正が起きやすい背景にあると思います。加えて、規定やマニュアル通りに仕事をしていればそれでよしとする形式主義も問題です。不正を働く人は、そのすき間を突くからです」(柏村氏)
さらにデジタル化の進展でデータやトランザクションが爆発的に増大しているにもかかわらず、監査が紙ベースのアナログのままであることも問題だと柏村氏は指摘する。
「データの一部だけ抜き出して検査するサンプルチェック、決算などが締まった後に検査する事後チェックなど、紙ベースの監査がいまだに続いているのが実態です。本来であれば、常時モニタリングして早期に不正を検知する仕組みを構築すべきですが、実現できている企業はごくわずかです」(柏村氏)
もちろん、多くの企業はこうした状況を課題と認識しているはずだ。ただし、効果的な対策を見いだせずにいるのが実態だろう。問題は、不正を働く人がいることだけではない。不正の兆候を見逃してしまう業務プロセスそのものにある。紙の監査、サンプルチェック、Excelによるデータ集約、部門ごとに分断されたシステム──。こうした現場の“当たり前”が、実はガバナンス上の“死角”になっている。では、AI時代に求められる監査やモニタリングは、どのように変わるべきなのか。
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・AI時代なのに監査は“紙とExcel”…? 現場に残る「見逃しの温床」
・「Excelバケツリレー」を終わらせる、監査データ活用の現実解
・大手金融機関は業務負荷を「1/26」に削減、マネロン対策で何を変えたのか?
・ガバナンス強化は「コスト」ではなく「投資」、AI活用の“前提”にもなる理由
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