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2011年06月17日

『石原壮一郎のオトナの怒り方』『大人力検定』著者 石原壮一郎氏インタビュー

【石原壮一郎氏インタビュー】ビジネスマンはどのように怒るべきか――コミュニケーション不足の日本人を考える

上司や同僚、部下、そして取引先などに対してもビジネスマンならば怒らねばならないシチュエーションはどうしても生じてしまう。その時にいかなる怒り方をすればいいのだろうか? 『大人養成講座』『大人力検定』など一連の「大人シリーズ」で知られるコラムニスト・石原壮一郎氏に、新刊『石原壮一郎のオトナの怒り方』(青春新書プレイブックス)の話題を中心として、「正しく怒る勇気と技術」についてお話を伺った。

日本人の「怒り方」が下手くそになってきた!?

――石原さんは、デビュー作である『大人養成講座』(扶桑社)の中で、「単なるハウツーではなく、1つ1つの行動を生み出している必然性を理解した上で、具体的なノウハウの持つ素晴らしさを知ってもらおうと考えました」と執筆の動機を述べられています。この文句をお借りして言うと、『オトナの怒り方』は、「単なるハウツーではなく、1つ1つの怒りを生み出しているメカニズムを理解した上で、それを解消し、状況を好転させるための具体的なノウハウが書かれた本」だと言えると思います。なぜ今のタイミングで、こうした「怒り方」の本を書かれたのでしょうか?

 石原壮一郎氏(以下、石原氏)■地震が起きたことで世の中の雰囲気が大きく変わりましたが、企画が立ち上がって書き始めたのは震災前です。最初の動機を振り返ってみると、まず「日本全体が陰険になってきたな」と思ったということがあります。それは「実は陰険」というくらいの話なんですけど、みんなが表面上穏やかになって、怒ることが苦手になって、でもその代わり根に持つようになった。気に入らないことがあってもその場では言わず、あとで陰で文句を言ったり、怒りを溜め込んである日突然爆発したり。つまり、怒り方が非常に下手くそになったなと。電車で足を踏まれていても、その場で抗議せず、踏まれながらTwitterに「足踏まれているなう」って書くみたいなことになっていて、バカかお前は!と(笑)。そういう陰にこもった社会になっている。そして震災後も、陰険さや怒り下手っぷりがいろんな形で露呈しています。

 また人間関係においても、空気を読まなければいけないとか、相手が傷つかないようにしなければいけないとか、つまり傷つくのが苦手な者同士が気を遣い合いながら「表面上は」穏やかに付き合っているという状態ですよね。それはある意味では「大人の社会」だと言えるわけですが、そんな社会は窮屈でしょうがない。これまで「大人」を訴え続けてきた身からすると、なんだか「大人」の方向が間違っているなぁと。


――そういった違和感から書かれたわけですね。

photo

『石原壮一郎のオトナの怒り方』

 石原氏■「見せかけの大人の世界」に対する違和感ですね。大人として生きていくというのは、別に波風を立てずに、表面上の平和を維持するというだけではなく、自分の心の中の安穏、心の中の平和を維持しないと意味がない。我慢しながらニコニコして、女性に「今日もキレイですね」って言っててもしょうがないわけです。どうせ言うんだったら、褒められてニッコリした女性の表情を見てこちらも「やった!」と嬉しくなった方がいい。それでこその大人のコミュニケーションだと思うんです。

 1人ひとりが大人な日々を送るには今、何が欠けているのかを考えていたら、「見せかけの大人の社会」になった原因は、怒るのが下手くそになったからではないか、ということに思いいたりました。それならば大人としての「怒り方」を追求し、その重要性や具体的な方法を提唱したいなと。

――そういえば先日、偶然テレビで「最近の大人は怒り方を知らない(故に怒れない)」というような調査を見ました。そうした問題意識も持たれていましたか?

 石原氏■「上司/部下との接し方」のような、上司と部下の関係について取材を受けたり、原稿を依頼されたりすることはもともと多かったですね。そして、そうしたことを突き詰めていくと、上司の方は「どう怒っていいかわからない」、反対に部下の方は「どう怒られていいかわからない」ということが言えると思います。一頃、最近の若者は怒るとすぐ仕事を辞めてしまう、怒ると全人格を否定されたような気がして落ち込む、などと言われた時期もありました。

 でも、多くの若者はそこまでひ弱じゃなくて「ちゃんと怒られたい」と思っている。むしろ怒る側の上司がサボっているんじゃないかなって。それは自分自身に対しても言えることで、「こうしてほしい」とか「それはおかしい」と気持ちを主張することがすごく苦手なんです。だから、自分自身にムチを入れたいという気持ちも執筆を後押ししました。

――拝読していて、非常に身につまされると言いますか(苦笑)、「あー、あのときこういうふうに怒れば/怒られればよかったんだな……」と、以前勤め人だったときのことを反省しながら読みました。

 石原氏■怒る/怒られるのが下手くそになってきたと同時に、こういう不景気な世の中だから、クビにならないように、会社や上司というものに対して忠誠を誓わなければならないという考え方が幅を利かせてきたように思います。古い言い方で言うと、「体制に取り込まれていくのが当然だ」という空気が蔓延しているというか。でも実際には、上司に逆らったところで東京湾に沈められるわけでもないし、そう簡単にクビになったりもしないわけです。

 だけど、見えない恐怖心のようなものを抱えながら、自分を抑えたり、表面を取り繕ったりしながら生きている。そうした不健康な状態が、1人ひとりを深く疲れさせているように思います。だから、もっと言いたいことが言えるような社会になればいいなと。……まあ、それほど大それたことを考えて書いたわけではありませんけども(笑)。

――多分当人は「忠誠」というほど大仰に考えていないのかもしれませんが、若者論を書いている学者の方などによって、若い人は「一度失敗したら落下してしまう」的な恐怖を抱きがちであることが指摘されていますよね。不景気だから、ようやく潜り込めた会社を追い出されたら大変だ……というのもあるでしょうし。

 石原氏■もともと会社や仕事というのは理不尽な部分があるものですが、それにしても会社における理不尽なやり方なり上下関係っていうものが、ある時期から一線を踏み越えたように感じられます。そうなってしまったのは、とにかく「波風を立ててはいけない」という見えないプレッシャーが深く関係しているように思います。

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