- 2026/10/23 06:30 掲載
【3つのデータを読む】AIバブル崩壊は早計…半導体株急落も年度末に日経平均〇万円?(2/3)
【連載】エコノミスト藤代宏一の「金融政策徹底解剖」
データ分析1:韓国の輸出8割増…鮮明になった株価との“ズレ”
1つ目は、最近の半導体株下落の震源地の1つとなっている韓国の貿易統計(輸出金額)である。輸出金額の伸び率と韓国総合株価指数(KOSPI)の推移を確認すると(下図)、直近の株価はかなり悲観的な状況を織り込んでいるように見える。2026年9月の輸出金額は前年比プラス83.7%と好調持続。伸び率は一段と加速している。また同年8月の輸出物価統計における半導体価格は同プラス175.4%であり、製品価格が著しい上昇を遂げている状況に変わりはない。
こうした状況下で、メモリ大手2社(サムスン電子、SKハイニックス)の収益は飛躍的な拡大を遂げていると推察される。中国メーカーが安価なメモリ開発に成功したとの報道が嫌気されたことはあるにせよ、輸出金額と株価の方向感の相違が鮮明化している(グラフ内の株価最新値は10月15日、以下も同じ)。
データ分析2:台湾の受注7割増、SOX指数との乖離拡大
2つ目は、台湾の輸出受注額。この指標とSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)を比べても同様のことが言える(下図)。受注額の約8割を占めるIT関連財では、電子部品が前年比プラス83.9%、情報通信技術(ICT)製品が同プラス100.5%であり、全体として同プラス71.4%と拡大基調にある。
一方で、世界の代表的な半導体銘柄で構成されるSOX指数は大幅に調整しており、輸出受注額との乖離度合いは、2025年春にトランプ関税と対中半導体輸出規制の強化が同時に意識された局面よりも際立っている。
データ分析3:機械受注が示す日本株の“底堅さ”
3つ目は、日本の機械受注統計(機種別)における「電子計算機等」。この受注額と日経平均株価を比較してみると(下図)、こちらも日本株の下振れ懸念を和らげる推移となっている。この系列には日経平均株価におけるウェイトが高い半導体製造装置が含まれており、過去、株価の方向感を説明してきた。足元では水準で見ても伸び率で見ても、違和感のない姿となっている。
短期的にはさらなる調整も否定できないが、これまで共有されてきた半導体の成長ストーリーが根本的に見直される事態には至らないと考えられる。 【次ページ】反転のカギは米インフレ…厄介なCPIでも「状況は良い」ワケ
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