- 2026/10/23 06:30 掲載
【3つのデータを読む】AIバブル崩壊は早計…半導体株急落も年度末に日経平均〇万円?
【連載】エコノミスト藤代宏一の「金融政策徹底解剖」
2005年、第一生命保険入社。2008年、みずほ証券出向。2010年、第一生命経済研究所出向を経て、内閣府経済財政分析担当へ出向し、2年間「経済財政白書」の執筆、「月例経済報告」の作成を担当する。2012年に帰任し、その後第一生命保険より転籍。2015年4月より現職。2018年、参議院予算委員会調査室客員調査員を兼務。早稲田大学大学院経営管理研究科修了(MBA、ファイナンス専修)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。担当領域は、金融市場全般。
「AIバブル崩壊」は本当? 株価を“2つに分解”すると…
まず、今回の株価下落を、企業利益と株価評価に分けて考える。株価は、1株当たり利益であるEPSと、利益の何倍まで株価が買われているかを示すPER(株価収益率)の掛け算で表せる。利益が増えていても、投資家が許容するPERが低下すれば、株価は下落する。足元では、このPERの低下が目立っている。
PER(先行き12カ月)を確認すると、日米主要指数はいずれも低下基調にある。日経平均株価は20倍近傍まで低下し、2025年8月以来の水準にある。
一方、S&P500は18倍台まで低下。これはFF金利(米国の政策金利)の誘導目標上限が5.5%という金融引き締め局面であった2023年後半に等しい。ナスダック総合指数(NASDAQ)もおおむね同様の波形となっている。
足元では、AIバブルが崩壊したのか否かに注目が集まっているが、PERから見ると、バブルを疑うような過剰な株価上昇は過去数年に一度も発生していない。
日経平均の予想利益は年初から45%増、成長は衰えていない
この間、EPSは順調に拡大している。日経平均について、年初時点で市場参加者が参照していた予想EPS(先行き12カ月)は2,185円であったのに対して、直近値は3,177円となっており、実に45%も切り上がっている。
次に、こうした利益拡大を裏付けるマクロデータを3つ点検する。AI・半導体株の急落とは裏腹に、統計からは株価との“ズレ”が浮かび上がる。 【次ページ】データ分析1:韓国の輸出8割増…鮮明になった株価との“ズレ”
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