- 2026/10/23 06:30 掲載
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【連載】エコノミスト藤代宏一の「金融政策徹底解剖」
反転のカギは米インフレ…厄介なCPIでも「状況は良い」ワケ
ここから日本を含め、世界的に株価が反転する条件は、やはりインフレ沈静化とそれを受けた中央銀行の引き締め観測後退であろう。特に重要なのは米国の動向である。その点、10月14日に発表された9月の米消費者物価指数(CPI)は厄介な結果であった。総合が前年比プラス3.7%へと伸び率を急速に高めたほか、食料・エネルギーを除くコア物価も前月比プラス0.3%、前年比プラス2.6%と上昇加速し、インフレの落ち着きは確認できなかった。これを受けて日米株価が大幅に下落したことは記憶に新しい。
とはいえ、現在のインフレの多くが原油価格の高騰で説明可能であることは、ある意味で「状況は良い」と言える。というのも、2022~2023年ごろと異なり、賃金上昇率が落ち着いているからである。
9月の雇用統計における平均時給は前月比プラス0.1%、前年比プラス3.0%の上昇に過ぎず、これはコロナ期以前と比較しても高い数値ではない。足元では、原油高が物価を押し上げる一方、労働市場から生じるインフレ圧力はそれほど強くないと判断される。
賃金上昇率が過度に高まることで、賃金と物価が相互に刺激し合い、インフレが加速した2022~2023年よりも治療は難しくなさそうである。
【結論】原油がカギ…日経平均は年度末“どこまで”戻る?
今後、イラン情勢が好転するなどして原油価格が低下すれば、財(モノ)価格主導でインフレ率は鈍化すると期待される。賃金上昇率が鈍化していることに鑑みれば、インフレの二次的波及によって賃金と物価が相互刺激的に上昇していくスパイラルは回避されると考えられる。原油価格が低下すれば、現在織り込まれている利上げ観測が急速に後退し、株価が上昇基調を強めると期待される。向こう数カ月の株式相場は、不安定な値動きが続くとしても、企業業績の拡大を支えに下値を固め、米国のインフレ懸念が和らぐ局面で持ち直すだろう。
筆者は、日経平均株価が年度末(2027年3月末)までに7万円を回復すると予想している。
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