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  • 2019/12/24 掲載

広がり見せるキャッシュレス、手数料安くてもビジネスとして成立する理由

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日本でもQRコード決済をはじめとしたキャッシュレスソリューションが続々と生まれている。2019年10月からはキャッシュレス決済を対象としたポイント還元制度が導入され、順調な滑り出しを見せているが、これからもこうした動きは広がっていくだろう。同時に、そこから生まれるデータの利活用についても多くの可能性が見いだされている。
執筆:デロイト トーマツ グループ 大平 貴久

デロイト トーマツ グループ 大平 貴久

独立系ITコンサルティングファームにて、金融サービス企業(クレジットカード、証券、消費者金融)に対するコンサルティングに従事。その後、国内雑誌出版社の事業開発部へ出向。Webプロデューサーとして、2年間に6事業を立ち上げる。2015年にデロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社に入社。フィンテックリーダーとして、IT技術&金融業界への知見と新規事業創出経験、メディア運営経験を活かし、ベンチャー企業支援(フィンテック、メディア、EC領域)と大企業向け新規事業開発コンサルティングを提供。2017年より、プラットフォーム事業部長を務め、MorningPitchや官公庁案件の統括を行う。2019年より、Head of Asia Regionを務め、アジア(東南アジア、インド)のベンチャー企業支援と日本のベンチャー企業のアジア進出支援を行う。ビジネス誌やオンラインメディアでの執筆やコメント、講演での登壇多数。フィンテックCity Asia 2017のパネルや多くのビジネスコンテスト審査員を務める。

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ポイント還元制度もあり、キャッシュレスが広まっている
(Photo/Getty Images)


ポイント還元制度で広がりを見せたキャッシュレス

 日本は諸外国に比べて、キャッシュレス比率が低いと言われ続けてきた。都市部では、公共交通機関に乗るときに使用する非接触決済をはじめとして、数年前に比べれば、現金を持ち歩かなくとも日常生活ができるようになってきている。

 しかしながら、地方ではそうはいかない。非接触決済はもちろんのこと、クレジットカードが使えない店舗はまだまだ多く、いまだに現金決済が根強く残る状況である。

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キャッシュレス決済に対応することを示すシール
(撮影:筆者)
 キャッシュレスが広がらない理由はさまざまあるが、ユーザー側の心理的なハードルのほか、ATMがいたるところにあり不便を感じていないこと、加盟店側のコスト負担などがよく挙げられる。

 これに対し、国としてもキャッシュレスを推進する動きを見せている。

 2019年10月からの消費増税のタイミングではキャッシュレス決済を対象にポイント還元制度が導入されており、一企業のみのキャンペーンでは、リーチしきれなかった新しいユーザーの開拓にもつながっている可能性がある。

 このポイント還元制度は、新しくサービス展開されているQRコード決済サービスだけではなく、既存のクレジットカードもポイント還元の対象になっており、日本のキャッシュレスシーンが大きく広がったと感じる。

キャッシュレスサービスは何が収益源になるのか?

 2018年に入ってから多くのプレーヤーがこの決済領域に参入してきた。テクノロジーとして新しい訳ではないが、加盟店側の導入の簡便さからQRコード決済に参入するプレーヤーも多い。

 そして、参入と同時に大規模なキャンペーンを行い、ポイントバックやキャッシュバック、ディスカウントを行うプレーヤーも増えてきている。かなり大規模なキャンペーンだったので、読者の方々の中で目にした人も多いだろう。

 新規参入したプレーヤーは、どうしてそこまで大規模なキャンペーンを打ってまで、顧客の新規獲得を急ぐのだろうか。

 決済サービスの収益源の一つである決済手数料は、既存のクレジットカード決済などと比べると、QRコード決済の場合は逆に低く設定されていることが多く、それが収益源というのは考えにくい。

 また、以前のクレジットカード会社の大きな収益源であった、リボ払いやキャッシングなどの機能も直近でリリースされたQRコード決済プレーヤーには備わっていないことが多い。

キャッシュレスサービス普及の目的は何か?

 では、何の目的でサービス普及を推進しているのかというと、多くのプレーヤーは決済、顧客データの獲得を目的にしていると考えられる。

 決済、顧客データと一言で言っても、そこに含まれるデータ範囲は幅広い。たとえば決済金額、決済店舗というイメージしやすいものから、決済日付、決済時間、購入品目という細かいものまでさまざまだ。

【次ページ】現金にあって、キャッシュレスにはないものとは?
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