- 2026/10/20 07:00 掲載
JPモルガン利益圧勝でもゴールドマンが際立つワケ…米大手金融4社の決算を大解剖
全社増益でも全社株安…米金融4社に何が起きた?
株価の反応も厳しい。米投資情報サイトInvesting.comの市場データを見ると、シティが5.6%安、ウェルズが3.1%安、JPモルガンが0.9%安となった。朝方に大幅上昇したゴールドマンも、終値は0.2%安だった。
ただし、決算への評価は異なる。JPモルガンは1株あたり利益(EPS)と収益が市場予想を下回る一方、ゴールドマンとシティはともに予想を上回った。ウェルズも1株あたり利益は小幅に上振れしたものの、収益は予想未達。増益と株価の動きが一致しない理由は、単純な業績の良し悪しだけでは説明できない。
純利益で圧倒したのはJPモルガンで、前年同期比6%増の153億500万ドル(約2兆4,200億円)。ただし1株あたり利益は5.57ドル(約880円)で、市場予想の5.93ドルを下回った。税引き前6億5,800万ドル(約1,040億円)の有価証券損失が影響し、これを除く1株あたり利益も5.75ドル(約910円)だった。
一方、ゴールドマンは純利益が29%増の52億9,400万ドル(約8,400億円)となり、1株あたり利益は17.01ドル(約2,690円)と市場予想を大幅に上回った。
なお、日本円への換算は10月13日の為替相場を基に、1ドル=約158円として概算した。
では、利益額で約3倍も開くJPモルガンとゴールドマンのうち、資本を効率よく使っているのはどちらなのか。ここで決算の見え方が逆転する。
153億ドル稼いでも首位じゃない…ROEで見る「本当の効率」
純利益はJPモルガンに次いで、ウェルズが59億5,100万ドル(約9,400億円)、ゴールドマンが52億9,400万ドル(約8,400億円)、シティが52億4,500万ドル(約8,300億円)と続く。
ところが、普通株主資本に対する利益の割合であるROE(自己資本利益率)では、ゴールドマンが18.7%でトップとなった。JPモルガンは17.0%、ウェルズは13.8%、シティは10.1%だ。
しかし、ゴールドマンの圧勝という結論も早い。のれんなどの無形資産を除いた有形普通株主資本利益率では、ゴールドマンが20.5%、JPモルガンが20.0%。差はわずか0.5ポイントである。
シティの純利益40%増にも特殊要因がある。前年同期にメキシコの金融事業に絡む税引き後7億1,400万ドル(約1,130億円)の減損損失を計上していたためだ。これを除いた前年同期の1株あたり利益と比べると、伸び率は27%となる。
利益額、成長率、ROEのどれを使うかで「勝者」は変わる。では、そもそも各社の利益を生み出した事業には、どんな違いがあるのか。
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