- 2026/08/14 07:00 掲載
【7社決算比較】中堅証券「爆益」の裏側、株高後に失速するのは?“利益の質”に明暗
全社改善でも実力差くっきり…利益を分けた“4つの特徴”
アイザワ証券グループ、いちよし証券、岩井コスモホールディングス、極東証券、東洋証券、丸三証券、水戸証券の2027年3月期第1四半期決算が出そろった。7社すべてで営業損益が前年同期から改善した。アイザワ証券グループは、前年同期の5億7,600万円の営業損失から、2億3,800万円の営業利益へ黒字転換している。
なぜか。各社を押し上げたのが株式市場の活況だ。日経平均株価は2026年6月末に7万62円32銭となり、3月末から37.2%上昇した。
7社は連結と非連結が混在しているが、営業利益を単純合計すると、138億9,300万円となる。このうち岩井コスモHDが約31.4%を占めている。
営業利益額では岩井コスモHDが首位だが、営業収益(売上)に対する営業利益の単純比率では極東証券、(アイザワ証券グループを除いた)前年同期も営業黒字だった6社の営業利益の増益率では東洋証券が首位となった。
さらに、いちよし証券、水戸証券、丸三証券では、信託報酬やラップ報酬など、売買手数料より継続性の高い収益が拡大した。
派手な増益は続く? 岩井コスモ、東洋、極東3社の実力と死角
収益を押し上げたのは株式関連だ。トレーディング利益は53億3,700万円となり、うち株券などが52億9,100万円を占めた。国内外の株式を中心とする委託手数料も88.6%増の21億1,300万円となった。投資信託の信託報酬を中心とするその他の受入手数料も、8億7,100万円まで増えている。
つまり岩井コスモHDは、株式トレーディング、委託手数料、投資信託関連収益という複数の経路から、株高の恩恵を取り込んだのだ。今四半期の営業利益額で大差の首位となった理由である。
ただ、それは市場環境の影響を受けやすい収益だ。
今後見るべきなのは、株式市場の売買が鈍った場合の反動、そして投資信託関連などの収益をどこまで厚くできるかということだ。
営業収益に対する営業利益の単純比率では、極東証券が52.6%で首位となった。営業収益は28億9,900万円と7社で最も小さいものの、営業利益は15億2,400万円を確保している。受入手数料は13億9,300万円、トレーディング利益は9億4,700万円だった。後者のうち、債券などが9億2,600万円を占める。
この大きな営業利益は、債券を中心とするトレーディング利益の影響も大きく、この比率が継続するかは次の決算でも確認する必要がある。
前年同期も営業黒字だった6社の中で、増益率首位となったのが東洋証券である。営業利益は1億4,300万円から15億4,800万円へ増え、約10.8倍となった。
国内株、中国株、米国株の手数料増に加え、ソリューション関連手数料の発生も寄与した。委託手数料は8億7,500万円から28億7,400万円へ約3.3倍に拡大している。ただ、トレーディング損益は3億1,800万円の損失となり、募集・売り出し取扱手数料も16.4%減った。
つまり大幅増益の主因は株式委託手数料であり、すべての収益源が改善したわけではない。前年同期の営業利益が低水準だった反動も考慮する必要がある。
岩井コスモHD、極東証券、東洋証券の決算が示したのは、市況連動収益の大きさと性質の違いだ。
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