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  • 2021/10/01 掲載

りそなHD南 昌宏社長に聞く「次世代銀行」、GAFAやデジタルバンクの動きにも揺るがないワケ

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りそなホールディングスは、経済産業省と東京証券取引所が選ぶ「DX銘柄」に2020年と2021年の2年連続で、銀行業としては唯一選出され、経済産業省のDX認定制度でも銀行業では初めて認定を受けた。業界では一歩抜きん出たりそなホールディングスのデジタル戦略とは何か。南昌宏社長にGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)や、新興のデジタルバンクの動きにも揺るがない理由を聞いた。
聞き手、構成:編集部 山田 竜司 執筆:畑邊康浩

聞き手、構成:編集部 山田 竜司 執筆:畑邊康浩

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りそなホールディングス・南昌宏社長

時代の変化に合わせ経営基盤や組織の次世代化を図る

──りそなホールディングスの事業の全体像について、中期経営計画を基にお教えください。

南昌宏氏(以下、南氏):2020年5月、新たな経営体制のもと、3年間を計画期間とする新しい中期経営計画を発表しました。その中身は「二兎を追う」ことが中心になっています。「二兎」の1つは、これまで伝統的にやってきた既存領域について、発展的な「深掘」をしていくことです。

 我々は地域、リテール(中小企業と個人)の2軸を持つ商業銀行として法人で50万社、個人で1600万人という顧客基盤を構築しています。さらにフルラインの信託・不動産機能を有している他、国内有数の資産規模と運用体制をもつりそなアセットマネジメントもあります。これらを掛け算することで、我々がワンストップで提供できるソリューションはまだまだあると考えます。

 「二兎」のもう1つは、これまでの銀行の常識や発想を超えて新しい「挑戦」を成し遂げるということです。我々の中では“脱・銀行”と呼んでいます。社会の産業構造そのものが大きく変化する中で、もう一度お客さまの側に立ち、「我々ができることは何か」をゼロベースで考えることが必要です。そうすることで今まで気付くことができなかった分野において、新たなビジネスの展開ができる可能性もあると思います。

 こうした「深掘」と「挑戦」を進めていくためには、現在の銀行業務を支えている基盤を再構築する必要があると考えています。この「基盤の再構築」が「二兎を追う」取り組みに続く3つ目のポイントです。これまでの銀行業務のプロセスを解体・再構築したり、プロフェッショナル人財を育成していくために新人事制度を導入したり、経営資源を適正に配分して我々の業務基盤そのものを再構築していく取り組みです。

 「深掘」「挑戦」「基盤の再構築」の3つを進めていくためには、いずれの分野においても新たな発想でお客さま・社会課題に向き合いイノベーションを起こしていく必要があります。そのために「デジタル&データ」「デザイン思考」「オープン」を3つのドライバーとして定め、ビジネスモデル・経営基盤の変革を成し遂げようというのが、現在の立ち位置です。

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ビジネス戦略と基盤の再構築(全体像)
(出典:りそなホールディングス)

「コロナ禍による中期経営計画の調整」とSX

──中期経営計画について、コロナ禍による調整などはありましたか。

南氏:潜在的だったニーズが顕在化したという点以外では、中期経営計画を考えていた時とコロナ下の状況で大きな変化はありません。

 もちろん、コロナ対策には注力しています。私が社長に就任したのが2020年の4月1日、4月7日に1回目の緊急事態宣言が出たというタイミングでしたので、最初に着手したのは、お客さまの緊急時の資金繰り支援です。急激な環境変化の中で地域へ迅速かつ円滑に資金提供することは、我々の責務の1つであり、一定程度役割を果たせたと自負しています。

 一方、新型コロナはこれまでの常識や価値観といったものを法人個人問わず、根元から揺さぶりました。その揺さぶりの中で、これまでは“潜っていた”ニーズが完全に顕在化し、求められるスピード感も圧倒的に増したと考えています。

 事業や資産の次世代への円滑な移転は一層、重要なテーマとなりました。さらには、人生100年時代における将来への備えのニーズや、非対面・非接触といった社会からの要請、新型コロナで影響を受けられた方々への再成長支援などの顕在化したニーズに対してしっかりとサポートしていくことが、我々の責務だと思っています。

 今後は、それらのニーズに対して、我々の持つ知見やノウハウを使ってどのようにご納得いただけるソリューションを提供できるかが、勝負の分かれ目になると思っています。
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 中期経営計画の策定時との違いを示すならば、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)に求められるスピード感が上がったことです。私どもは、2021年6月に「サステナビリティ長期目標」を定めました。国の方針も定まり、SXにまつわる動きは世界的にも相当加速し、深まってきたと感じています。

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りそなホールディングスのSXへの取り組み
(出典:りそなホールディングス)

【次ページ】GAFAにとって金融は「本業ではない」、そこに機会がある

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