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  • 2024/05/15 掲載

成長率がスゴすぎる「RWA」、“現実世界資産”のトークン化市場が伸びるワケ

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ブロックチェーンに代表される分散型台帳技術の登場により、株式や債券、不動産やコモディティ、アートやワインなど、現実世界の資産(Real World Asset:RWA)のデジタル化、トークン化が急速に進展している。多様な資産がデジタル化されることを通じて、従来の伝統的な資金調達手法を補完するオルタナティブ・ファイナンス(補完金融)の仕組みが拡大しており、既存の資本市場が取り扱っていた領域が大きく拡張しつつある。特に日本において急拡大しているデジタル証券(セキュリティトークン)の動向と今後の可能性について、野村総合研究所 未来創発センター デジタルアセット研究室長が解説する。
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進展する「現実世界資産(RWA)のデジタルアセット化」とは(後ほど詳しく解説します)

世界に先駆けて急拡大する日本のセキュリティトークン市場

 過去5回の連載でみてきたように、従来の資金調達手法を補完するオルタナティブ・ファイナンス(補完金融)は、ブロックチェーンに代表される分散型台帳技術などのデジタル技術を積極的に活用し、現実世界における多様な資産が「トークン」としてデジタル証券化され、新たなデジタルアセット市場が登場しつつある。


 実際に、日本においてデジタル証券市場(セキュリティトークン市場)は2021年からスタートしたが、急速にその市場規模を拡大しており、スタートからわずか約3年の2023年度末で約1,200億円に近い金額まで拡大している。以下の図は、既に募集されたセキュリティトークンの発行金額の累計を示したものであるが、その大半を占めるのは賃貸マンションや宿泊施設(ホテルや温泉旅館)などの不動産を対象としたものである。

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国内におけるセキュリティトークン市場規模の推移
注:横軸は申込締切日を基準としている
(出典:CoinDesk JAPANより作成)

 このようなスピードでデジタル証券(セキュリティトークン)の市場が急拡大している国は他になく、珍しく日本が世界に先駆けて新たな金融イノベーションをリードしていると言える状況にもなっている。

 そこで連載最終回は、主に日本国内におけるセキュリティトークン市場の動向と、今後の現実世界資産(Real World Asset:RWA)のトークン化の可能性について紹介したい。

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RWAのトークン化による「手触り感のある投資体験」の仕組みとは?
【次ページ】デジタル証券化を通じた投資と消費・体験との融合へ
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