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- 2024/05/15 掲載
成長率がスゴすぎる「RWA」、“現実世界資産”のトークン化市場が伸びるワケ
2002年慶應義塾大学総合政策学部卒業、2004年同大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了、2010年大阪大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。2004年に株式会社野村総合研究所に入社後、主に不動産・インフラ分野に関する調査研究及びコンサルティング業務に従事。2017年11月よりケネディクス株式会社との合弁会社であるビットリアルティ株式会社の取締役に就任し、2019年1月にオンライン不動産投資プラットフォームbitREALTYを立ち上げ。2020年3月より同社取締役副社長として不動産分野におけるデジタル戦略を推進し、2023年4月より現職。主な専門分野は、オルタナティブ資産に関わる金融経済学、ファイナンス理論、データサイエンス、デジタル戦略等。また、国土審議会土地政策分科会企画部会専門委員、内閣府「都市再生の推進に係る有識者ボード」委員、日本不動産金融工学学会(JAREFE)副会長等の他、早稲田大学ビジネススクール等で非常勤講師を務め、著書や論文多数。他に、日本FP学会賞最優秀論文賞受賞(2010年)、情報処理推進機構(IPA)未踏クリエータ(2003年)等。
世界に先駆けて急拡大する日本のセキュリティトークン市場
過去5回の連載でみてきたように、従来の資金調達手法を補完するオルタナティブ・ファイナンス(補完金融)は、ブロックチェーンに代表される分散型台帳技術などのデジタル技術を積極的に活用し、現実世界における多様な資産が「トークン」としてデジタル証券化され、新たなデジタルアセット市場が登場しつつある。実際に、日本においてデジタル証券市場(セキュリティトークン市場)は2021年からスタートしたが、急速にその市場規模を拡大しており、スタートからわずか約3年の2023年度末で約1,200億円に近い金額まで拡大している。以下の図は、既に募集されたセキュリティトークンの発行金額の累計を示したものであるが、その大半を占めるのは賃貸マンションや宿泊施設(ホテルや温泉旅館)などの不動産を対象としたものである。
このようなスピードでデジタル証券(セキュリティトークン)の市場が急拡大している国は他になく、珍しく日本が世界に先駆けて新たな金融イノベーションをリードしていると言える状況にもなっている。
そこで連載最終回は、主に日本国内におけるセキュリティトークン市場の動向と、今後の現実世界資産(Real World Asset:RWA)のトークン化の可能性について紹介したい。
【次ページ】デジタル証券化を通じた投資と消費・体験との融合へ
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