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- 2019/10/18 掲載
ブロックチェーンは「幻滅期の谷底」へ、実用的な拡張性は2028年--ガートナーが見解
ハイプ・サイクルの幻滅期とは、実験や実装で成果が上がらないため、テクノロジーや市場への関心が薄れたフェーズのことを指す。
ガートナーのディスティングイッシュト アナリストでバイスプレジデントのアビバ・リタン氏は「ブロックチェーン・テクノロジーは市場で巻き起こったハイプ(新技術登場に伴う興奮)に今なお応えられておらず、大半のエンタプライズ・ブロックチェーン・プロジェクトは実験段階にとどまっています」と指摘。
そのうえで「ブロックチェーンは、ビジネス・エコシステムをまたぐデジタル・ビジネス・トランスフォーメーションをまだ実現できていません。ブロックチェーンがテクノロジーとオペレーションの両面で実用的な拡張性を獲得するのは、早くとも2028年になるとガートナーはみています」との見通しを示した。
ガートナーによれば、ブロックチェーンが主流のテクノロジーになるまで、ユーザーは適切なプラットフォーム、スマート・コントラクト言語、システム・インタフェース、コンセンサス・アルゴリズムの選択に悩む必要はないという。さらに言えば、プロジェクトにおいて異なるブロックチェーン・プラットフォームを使うパートナーとの相互運用性に対する懸念も、いずれは解消されるとした。
リタン氏は「ブロックチェーン・テクノロジーには、現在の考え方を塗り替えるような進歩が数多く見られます。2023年までに、ブロックチェーン・プラットフォームの拡張性や相互運用性は高まり、スマート・コントラクトの可搬性とクロス・チェーン機能をサポートするようになるでしょう。また、データの機密性を備えた信頼できるプライベート・トランザクションにも対応します。こうしたすべてのテクノロジーの進歩とそれらの組み合わせによって、ブロックチェーンは主流のテクノロジーとなり、次世代のインターネットやWeb3.0とも呼ばれる非中央集権型Webの実現が大幅に近づいてくることになります」のコメント。
さらに「パーミッション型ブロックチェーンは徐々にパブリック・ブロックチェーンと統合され、パーミッション型ブロックチェーンのメンバーシップ/ガバナンス/オペレーティング・モデルにおける要件に対応しつつ、共有サービスを有効に活用するようになります」とした。
ガートナーのアナリストでバイスプレジデントの鈴木 雅喜氏は「ブロックチェーンは複数のテクノロジーの集合体で、そのコア部分は今も著しい進化の過程にあります。3年前と現在ではブロックチェーンの常識も大きく変化しました。今後5~10年を見通したとき、ブロックチェーンはビジネスのみならず経済や社会の在り方までをも変革していく可能性があります。企業や組織の未来を担うリーダー層は、テクノロジーの大きな潮流の中でも特にブロックチェーンの動向に敏感であるべきです」として、ブロックチェーンへの注目は続けていくべきとの見解を示した。
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