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  • スペシャル
  • 2020/09/17

成長軌道に戻せるか? 銀行に求められるクラウドを活用したレジリエンス強化とは

いま、銀行を取り巻く環境は厳しさを増しています。フィンテック企業の新規参入による競争激化に加え、新型コロナウイルスの世界的なパンデミックによる店舗の閉鎖、従業員のリモートワーク対応など、新たな課題に直面しているからです。こうした難局を乗り越え、経済の回復期に成長軌道へと戻るには、デジタルを活用して組織・業務の両面を変革し 、企業としてのレジリエンス(耐性)を高めることが不可欠です。その具体的な対策について、事例を交えてご紹介します。

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コロナ禍で銀行はその存在意義を示したが、さらなるプレッシャーにさらされることになった
(Photo/Getty Images)

支援を求められる銀行も支援を必要としている

 今、私たちは予想もしなかったような銀行業界の急激な変化を目の当たりにしています。フィンテック企業などの新規参入によって競争が激化したことに加えて、この状況下で、各国政府が厳格なソーシャル・ディスタンスを実施したことによって店舗の閉鎖期間の延長を余儀なくされ、金融機関は今まで以上にデジタルを活用したビジネスモデルへの転換を迫られています。

 シンガポールではビジネスへの経済的打撃を乗り切れるよう、40億シンガポール・ドルの融資が中小企業向けに行われており、銀行は1週間で資金が確実に企業の手元に届くよう、融資の申請手続きをデジタル化しています。

 オーストラリアでも、銀行は小規模事業者向けの信用緩和措置を発表し、借入返済期間を6カ月間延長すると同時に、政府もこの経済的難局を乗り切るため経済支援をさらに拡大しています。

 こうした困難な時期には、顧客支援のために果たす銀行の役割に耳目が集まりがちですが、実はその銀行自体が、この直面する難局を乗り切るための支援を必要としています。

組織と業務の両面で求められる抜本的な変革

 今までさまざまな浮き沈みがあったとはいえ、銀行業界もこれほど先の見えない状態に陥ったことはなかったのではないでしょうか。この難題に向き合うために、銀行は組織と業務の両面でより抜本的な変革を行い、顧客のニーズに応えることで、いち早く回復軌道に乗せようとしています。

 従来、金融機関のCFO(最高財務責任者)は、事前の予測と概算に基づいてリスク管理を行ってきました。しかし、経済の先行きが不透明な状態にあっては、この種の分析ではもはや十分とは言えなくなっています。

 さらに、CFOが財務部門で推進するデジタル化は、社内の複雑なアーキテクチャや、高コストかつ維持管理が困難なレガシーのプロセスにより、なかなか先に進めません。主要金融機関は、システム設定を理由に適切なリモートワーク環境を迅速に導入することができませんでした。

 かつての安全性や安定性がより重要と考えられていた時代の財務とリスク部門との分散型モデルでは、組織が機能する上で必要とされる透明性、有効性、コスト効率を得ることができません。むしろ、プロセスに余分なコストや手間がかかり、銀行の能力であるオペレーションを円滑に管理することを妨げています。

 今、銀行各社にとって、自社の財務業務のデジタル化は緊急課題です。デジタル化こそがリスク管理となり、インサイトの強化につながります。事業を回復させて市場環境の変化に対する高い適応力を発揮し、レジリエンス(耐性)を強化するための唯一かつ最速の方法がデジタル化であることを、銀行各社は理解しています。

 従って、銀行業界におけるテクノロジーのロードマップや事業継続計画において、クラウドの活用は今や必要不可欠だと言えるでしょう。

基幹システムのクラウド化に成功した銀行の事例

 基幹システムのクラウド移行が、これまで以上に重要になってきました。クラウドの利用によって、金融機関の従業員のリモートワークが可能になるからです。

 これは、かつての分散または分断されたシステムでは不可能だったオペレーション管理における変化であり、CFOの考え方の変化を示しています。金融機関は現在、中核となる財務プロセスを再構築し、自社のビジネスにとって有益となるリモート機能を検討し始めており、これが最終的には顧客にとってのメリットにつながります。

 1つの例として、ベトナムにおける最大級のリテール銀行であるアジア・コマーシャル銀行(ACB)を挙げることができます。同行はOracle Fusion Cloud ERPを導入し、財務、購買およびプロジェクト管理プロセスを合理化した結果、月次決算から報告書作成までにかかる時間を50%短縮することに成功しました。

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Oracle Fusion Cloud ERPを採用したアジア・コマーシャル銀行のシステム

 さらに、クラウド移行によってアプリケーションを自社データセンターで運用管理する必要もなくなり、現場に配置する従業員を最少化して、業務を中断させることなく財務部門の従業員の在宅勤務を実現しました。

 また、オーストラリアの最大手銀行の1つであり、長い歴史を持つ老舗銀行でもあるWestpacは、Oracle Banking Platformを活用してカスタマー・サービス・ハブを統合し、顧客とのすべてのやり取りを単一画面で表示できるようにしました。その結果、オーストラリアとニュージーランドで運用する複数のブランドを通じて一貫した顧客重視の体験を創出し、競争が激化する業界にあって、ビジネスの優位性を確保することに成功しました。

レジリエンスを高め、成長軌道に戻るために不可欠なデジタル化

 現在のように先行きの不透明感が高まっている状況で、銀行はシナリオ・プランニングや戦略モデルを活用して、起こり得る将来のシナリオを幅広く検討し、収益や流動性を予測して、短・中期的な予測をくり返し行うようになっています。

 的確な対策を実行してリスクをコントロールする上で、クラウド・アプリケーションに組み込まれたAIや機械学習(ML)などのテクノロジーが重要な役割を果たします。これによって銀行は戦略的なインサイトを引き出すことができ、より精度の高い意思決定を行い、自社の改革を推進し、市場での優位性を得ることができます。

 世界は変化し続けており、この先、何が起こるのか誰も予測できません。しかも、この変化は常態化しつつあります。

 従ってこの先、銀行がレジリエンスを高め、困難な状況から抜け出すためには、より抜本的な変革が必要となります。それがオペレーションの変革であれ、機能面での変革であれ、経済が回復し始めるのに合わせて成長軌道に戻るために「デジタル化」が不可欠であることは間違いありません。

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