- 会員限定
- 2025/07/02 掲載
永吉頭取に聞く「みんなの銀行」黒字化への道、進化するBaaSと“メガバンク採用”のIT基盤とは
フリーのテクニカルライター。コンシューマからエンタープライズまで、初心者向けの記事からテクニカルな解説記事、広告記事、企業取材記事などを手がける。執筆した書籍はこれまでに約80冊。オールアバウトでは「パソコンソフト」「ワード(Word)の使い方」「MS Officeの使い方」のガイドもつとめる。2008年からWordカテゴリーでのMicrosoft MVP。
個人ホームページ:http://www.makoto3.net/
facebook:http://ja-jp.facebook.com/inouekengo
みんなの銀行とは? ふくおかFGでの立ち位置と役割
みんなの銀行は、世界で初めてフルクラウドでバンキングシステムをゼロから構築した企業として知られる。もともとFFGは、2016年に金融と非金融、地域同士をつなぐプラットフォーム企業としてネオバンクの事業を展開するiBankマーケティングを設立。同社が中心となって未来の銀行のビジネスモデルを模索する中で「みんなの銀行」の構想が生まれた。
iBankマーケティングの創業者であり、現在はみんなの銀行 取締役頭取をつとめる 永吉 健一 氏は、次のように説明する。
「FFGは、DXにおいて『2Wayアプローチ』を採っています。従来型の銀行を持つFFGでは着実なデジタル化やDXを実行する一方、既存ビジネスの制約を受けずに“一足飛びのDX”を実行する組織として『みんなの銀行』が設立されました。そこで得られたさまざまな知見、たとえばクラウド型のバンキングシステム、商品設計、マーケティングなどをFFGに還元しながらビジネスを展開しています」(永吉氏)
“一足飛びのDX”を実行する組織を目指すみんなの銀行は既存の金融機関とはかけ離れた環境で運営されている。
たとえば、従業員約300名のうち、銀行出身のキャリアを持つ「銀行員」は3割弱に過ぎず残りの7割強はエンジニアやデザイナー、マーケター、データサイエンティストなどが占め、プロダクトの開発を極力内製化している。したがって、人事制度も従来の金融機関の枠にとらわれない スタートアップに倣ったフラットな組織作りを志向している。
マーケティングについても、新聞、雑誌、テレビ、ラジオの4マス媒体は使っていない。ほぼすべてがインスタグラムやTikTokなどのSNSを中心とするデジタルマーケティングだ。
「システム環境がFFGの既存行とは違うので、みんなの銀行の施策をそのまま展開するのは困難ですが、クラウド活用のルール作りや新技術の採用を進める役割を担っています。設立当初からチャットツールでの社内コミュニケーションを徹底していました。コロナ禍という未曾有の事態において、みんなの銀行が持つデジタル前提のノウハウがグループ全体の新たな取組みに生かされた例もあります」(永吉氏)
先進IT企業やスタートアップで一般化しているビジネス環境や手法を、厳格な規制を前提とする金融機関においてどのように具現化するか。その役割を、FFGにおいてみんなの銀行が担っている。 【次ページ】みんなの銀行の3事業、“メガバン採用”のIT基盤を提供できたワケ
デジタルバンク/ネオバンク/BaaSのおすすめコンテンツ
デジタルバンク/ネオバンク/BaaSの関連コンテンツ
PR
PR
PR