- 2026/08/25 19:30 掲載
防衛省がドローンのスウォーム攻撃を迎撃する近距離対空システムCRADSを開発へ
さらに近距離では、現在開発が進められているレーザー兵器を活用する。レーザーは弾薬を使わないため従来兵器のような弾数の制約を受けにくい一方、ミサイルや機関砲より射程が短い。CRADSはこうした違いを生かし、目標までの距離や状況に応じて迎撃手段を使い分けることで、多数の飛来物への対処能力を高めることを狙う。新システムは陸上自衛隊への導入が見込まれており、機動力を確保するため車両への搭載を想定している。固定された防空拠点だけでなく、部隊の展開に合わせて移動しながら防空能力を提供できるシステムを目指す。
防衛省はCRADSとは別に、ドローン対処のための「高出力マイクロ波(HPM)」の実証事業にも2027年度から取り組む方針だ。強力なマイクロ波をビーム状に照射し、ドローン内部の電子制御システムなどに作用させて無力化する技術で、多数の小型無人機への対処手段として研究が進められている。レーザーやHPMといった指向性エネルギー技術について、防衛省は以前から早期装備化を進める方針を示している。従来の迎撃ミサイルだけでは、大量に投入される低価格な無人機に対してコスト面や弾数面で不利になりやすく、より安価で継続的に使用できる迎撃手段を組み合わせる必要性が高まっている。
また、防衛省は迎撃装置や戦闘機など自衛隊の装備品を模した「デコイ(おとり)」の導入も進める。攻撃側に多数の標的を提示することで攻撃を分散させ、本物の装備や施設への被害を抑える狙いがある。陸上自衛隊では現在、93式近距離地対空誘導弾などが近距離の防空を担っている。一方、防衛省は93式の後継として、低高度で飛来する巡航ミサイルなどへの対処能力を持つ「新近距離地対空誘導弾」の開発も別途進めている。
CRADSは、ミサイルだけに依存するのではなく、機関砲やレーザーといった特性の異なる迎撃手段を組み合わせることが大きな特徴となる。大量の無人機やミサイルが同時に飛来する新たな脅威を前に、日本の近距離防空も複数の迎撃手段を組み合わせる「多層型」への転換が進みそうだ。
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