- 2026/08/19 06:50 掲載
【比較】フジクラ「利益率26%」の衝撃、住友電工・古河電工・SWCCと大差が開いたワケ
売上3割なのに利益逆転、フジクラの「稼ぐ力」
電線大手4社の2027年3月期第1四半期決算が出そろった。中でも目を疑うのが、フジクラの数字である。同社の売上高は前年同期比50.1%増の4,020億円、営業利益は同155.1%増の1,048億円だった。営業利益率は単純計算で26.1%に達する。フジクラは、もはや「電線会社」というイメージだけでは説明しにくい収益力を見せている。何が凄いのか。今回の4社で売上高最大の住友電工と比べると分かりやすい。同社の売上高は1兆3,306億円、営業利益は971億円。フジクラの売上高は住友電工の約30%しかないにもかかわらず、営業利益では77億円上回った計算だ。住友電工の営業利益率は7.3%である。
しかも好調なのは、この2社だけではない。古河電工は売上高3,652億円、営業利益255億円で、営業利益は前年同期比205%増。第1四半期として売上高と各段階利益が2001年度以降の最高となった。古河電工の営業利益率も前年同期の2.8%から7.0%へ大きく改善した。
SWCCも売上高776億6,100万円、営業利益86億5,700万円と、それぞれ24.9%、80.4%増。営業利益率は11.1%となった。SWCCまで含め、4社とも大幅増益である。
つまり今回の決算は、「AI・データセンター特需で電線株が好調だった」で終わらせてはいけない。同じ追い風を受けながら、営業利益率には7%から26%まで約4倍の差があるからだ。この巨大な差はどこから生まれたのか。その答えは、4社が今やまったく違うもので稼ぐ会社になっていることにある。
【4社決算】実は「稼ぎ頭」がまったく違う
まず、異例の利益率を生んだフジクラから見ていこう。フジクラの主軸は情報通信事業だ。同事業の売上高は前年同期比83.9%増の2,644億円、営業利益は188.3%増の980億円。営業利益率は約37%に達し、全社営業利益1,048億円の約94%を1事業で稼いだ計算になる。
生成AIの普及によるデータセンター投資を背景に、光コンポーネントや光ケーブルが伸び、米国以外の新規データセンター向け大型案件も寄与したという。フジクラの高収益化を理解する最大のポイントだ。
一方、住友電工は様相が違う。情報通信事業の売上高は865億円、営業利益は272億円で、前年同期の81億円から利益が急拡大した。生成AIの拡大によって、データセンター向け光配線製品や光デバイスの需要が増えたためだという。
ところが、自動車事業は売上高8,028億円と情報通信の9倍以上あるのに、営業利益は260億円だった。住友電工は規模では圧倒的だが、利益を生み出す効率は事業によって大きく異なる。
古河電工も「光」が復活をけん引する。光ソリューションの売上高は600億円、営業利益は92億円。前年同期は7億円の営業赤字だったため、99億円の改善だ。情報コンポーネントも売上高596億円、営業利益74億円となった。
会社説明によると、光ソリューションではデータセンター向け製品の販売増や品種構成改善、価格見直しなどが寄与。情報コンポーネントではDFBレーザなどの光半導体関連や高周波基板用銅箔などが利益増に貢献した。 なお古河電工は今期からセグメント区分を変更し、前年同期も新しい区分に組み替えて比較している。
そしてSWCCは、さらに違う二刀流だ。国内電力インフラ向けの戦略製品「SICONEX」に加え、米国AIデータセンター向けの光ファイバーケーブル「e-Ribbon」半導体検査装置向け製品(プローブピン)が伸びている。同社は、米国データセンター向け通信需要と国内電力インフラ需要という異なる成長領域を取り込める事業構成を持つ。
同じ電線4社でも、フジクラはAI向け光部品、住友電工は自動車を含む巨大総合型、古河電工は光関連の収益改善、SWCCは電力と通信。こうした事業構成の違いが、全社利益率の差を生む一因となっている。
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