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ビジネスにおけるCX向上が叫ばれる中、なぜ金融業界は他の業界と比べて苦戦しがちなのか。京都大学公共政策大学院教授で元日銀FinTechセンター長の岩下直行氏は、その根本原因は金融業界が置かれてきた「ある歴史的背景」にあると指摘する。日本の金融機関がデジタル化に出遅れた「悲しい理由」、そして金融CX成功の不可欠な「大前提」について岩下氏が徹底解説する。
日本の金融機関がCXを「軽視してきた」ワケ
金融機関におけるCXを考える上では、歴史的な背景が重要になると話すのは、京都大学 公共政策大学院 教授・元日銀FinTechセンター長の岩下直行氏だ。
企業活動において、メーカーであれ、サービス業であれ、顧客があって成り立つため、ビジネスが顧客中心であることは、ある意味では当たり前だ。しかし、金融業界はこれまで、必ずしもそうではなかったと岩下氏は指摘する。
その根底には、約80年前、戦後の混乱期にまで遡る事情があるという。当時、一種の統制経済下にあり、国が経済活動をコントロールしており、その経済的な統制の「窓口」こそが銀行だった。
「当時は『臨時資金調整法』という法律に基づき、どの産業にどれだけ資金を配分するか、人々の預金をどう集めるかといったことが、政府の政策に基づいて決められていました。銀行は、それを実行するための『出先機関』としての役割を担っていたのです」(岩下氏)
そのため当時は、企業が事業資金を必要とする時も、個人がお金を借りたい時も、まず銀行に「お伺い」を立て、銀行が政府の判断を仰ぐといった構図が存在した。この仕組みの中では、銀行の立場が強く、顧客は今でいう「お客さま」ではなかったのだ。この「顧客が顧客でなかった時代」が、金融機関の体質の源流にあると言えると岩下氏は話す。
では。こうして出来上がった「業界風土」がこれまで変わることはなかったのだろうか。
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・デジタル化に金融機関が乗り遅れた「悲しい理由」
・金融CX向上の大前提は「あの改革」
・BaaSやAIの「希望と課題」とは
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