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- 2026/03/06 掲載
円安が止まっても株価は上がる?日経平均6万円時代に向けた「意外な条件」とは
【連載】エコノミスト藤代宏一の「金融政策徹底解剖」
2005年、第一生命保険入社。2008年、みずほ証券出向。2010年、第一生命経済研究所出向を経て、内閣府経済財政分析担当へ出向し、2年間「経済財政白書」の執筆、「月例経済報告」の作成を担当する。2012年に帰任し、その後第一生命保険より転籍。2015年4月より現職。2018年、参議院予算委員会調査室客員調査員を兼務。早稲田大学大学院経営管理研究科修了(MBA、ファイナンス専修)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。担当領域は、金融市場全般。
6万円目指す日本株、円高リスクの懸念は
2026年の日本株を巡っては、米国経済が拡大基調を維持するもと、日本企業の業績拡大が続くとの期待から6万円を目指すとの声が多く聞かれる。筆者は現時点で、先行き12カ月見通しは5万7,000円とやや慎重な数値を示しているが、日本の名目GDPが拡大するもとで、予想比上振れて着地する可能性があると見ている。もっとも、為替が円高方向に振れれば、日本企業の業績は圧迫され、株価が下押しされるとの懸念もある。日銀は早ければ4月にも利上げに動き、その後も半年に1度かそれ以上のペースで利上げを継続する可能性がある。筆者は、2027年に向け米国の利上げ観測が浮上するなどしてドル高圧力が生じる可能性があることから、為替が円高方向に転換することをメインシナリオとはしていないが、今年の株価のリスク要因に円高を挙げる向きは相応に存在する。
レートチェック観測と協調介入の行方は
為替を巡っては、1月23日に日米政策当局によるレートチェックがあった(と見られる)ことを契機に日米協調介入の可能性が意識されており、160円を超える円安は想像しにくくなった。レートチェックとは、為替介入の前段階で日銀が財務省の指示を受けて、民間銀行に対して為替の取引水準を電話で問い合わせることである。レートチェックが実際にあったかは、取引に関する守秘義務によって、政府・日銀が公表しない限りその有無を確かめることはできないが、1月中旬以降に片山さつき財務大臣が「あらゆる手段を含めて断固たる措置をとる」と、最大限に強い口調で口先介入をしていた。
このことから判断すると、実弾介入の1歩手前のレートチェックが行われた可能性は濃厚であろう。他方、米国側は「レートチェックを実施した」との記載が1月のFOMC議事要旨内にあり、事実が確定している。
これらを踏まえると、ドル円が160円に再接近する場合、当面は日米政府による協調介入の可能性が意識される。「為替介入の効果は一時的」という認識は、日本政府による単独介入を念頭に置いてのものであり、日米政府が協調すればこの限りではない。
特に円買い(ドル売り)の場合は、介入原資の上限が外貨準備高となることから、米国政府が加わることでその制約が和らぐため、日本政府単独の倍以上の効果があろう。 【次ページ】企業収益を押し上げる“円安効果の実態”
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