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- 2026/03/13 掲載
“空白期間”が命取りだから…?中国で流行「働くふり会社」が日本でもウケそうな理由
50代以上に特化した人材紹介、人材派遣を提供するシニアジョブ代表取締役。1991年、茨城県生まれ。少年~学生時代はサッカーに打ち込み、J1のユースチームで活躍。大学在学中に仲間を募り、シニアジョブの前身となる会社を設立。2014年8月、シニアジョブ設立。当初はIT会社を設立したが、シニア転職の難しさを目の当たりにし、シニアの支援をライフワークとすることを誓った。売上前年比が最高で300%に及ぶ成長を続け、現在に至る。専門紙を中心にシニアの転職・キャリアプラン、シニア採用等のテーマで連載・寄稿中。
失業後にお金を払って“働くふり”、一体どういうこと?
若者の失業が深刻な中国では、「働くふり会社」が注目されているという報道が日本でもされている。失業した人が家族にその事実を隠すため、「働くふり会社」にお金を払い、オフィスに出社して1日を過ごすのだという。日本でも、バブル崩壊後やリーマン・ショック後の失業率が高かった時代に、スーツを着て家を出て公園などで1日過ごし、家族に事実を隠す失業者の話があったようだが、お金を払ってまで働くふりをする中国の現状に驚く方も多いかもしれない。
しかし、この「働くふり会社」は、多くのシニアの失業者や求職者の就職を支援してきた筆者の目には、日本の転職市場や求職者の課題にマッチした、“意外と可能性の高いサービス”に映る。今回は、中国の「働くふり会社」の話題から、失業者の再就職支援の可能性について考えてみたい。
中国ではドラマにもなった「働くふり会社」
日本の報道では「働くふり会社」と訳されていた中国のサービスは、中国語では「假装上班公司」と呼ばれ、直訳すると「出勤するふり会社」がより近い。中国では「假装上班公司」がそのままタイトルとなったショートドラマも配信されており、一部の事例にとどまるのではなく、社会現象となっているようだ。オフィスを模した部屋には電源やエアコンだけでなく、Wi-Fiやプリンタ、ウォーターサーバなどが完備され、利用者は通常午前10時から午後5時頃まで自由に過ごせるという。利用料金は1日30~60元程度らしいので、650~1,400円程度だろうか。地方では安めだが、北京や上海などの大都市では高めになるという。
サービスによってはコーヒーなどのドリンク、ランチの提供や、料金に応じたマネージャーや社長などの役職の提供、役職に見合った座席や部屋なども提供されるらしい。役職に沿った架空の仕事が割り当てられ、利用者がそれを演じるなどの職場体験ができ、そうした仕事のふりを写真に撮るサービスもあって、それを利用者は家族に送信するのだという。
日本で報道された内容では、支払う料金より安い金額を、給料として受け取ることができるサービスもあるとされていたが、日本から見ることのできる中国語のサイトではそうした内容を確認できず、就労証明書の発行や社会保険料の支払い代行をうたうサービスがあることは中国のサイトにも記載があるものの、それらが法律に違反する可能性に言及している場合が多い。
中国のサイトに記載された潜入レポートやサービス紹介では、実態としてのサービスのコンセプトや利用客層は、失業者が家族に隠すためではなく、フリーランスのためのコワーキングスペースであると述べたものが多いが、日本にいる筆者に真偽は分からない。
日本では「変わったサービス」のような紹介のされ方をした「働くふり会社」だが、就職の難易度が高いシニアの転職を長年支援している筆者としては、日本でもある程度ニーズがあるのではないかと感じる。家族に失業を隠すためよりもむしろ、再就職時にブランクによって不利にならないために活用する価値がありそうだ。というのも、現在、日本の中高年を取り巻く雇用環境には、若者とはまったく違う“残酷なリアル”が潜んでいるからだ。 【次ページ】中国の若者より深刻…?日本の中高年に迫る「突然の失業」
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