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- 2026/06/03 掲載
今、事務職より稼げる「ブルーカラー職」とは?“給与逆転”が起きる賃金事情のリアル
50代以上に特化した人材紹介、人材派遣を提供するシニアジョブ代表取締役。1991年、茨城県生まれ。少年~学生時代はサッカーに打ち込み、J1のユースチームで活躍。大学在学中に仲間を募り、シニアジョブの前身となる会社を設立。2014年8月、シニアジョブ設立。当初はIT会社を設立したが、シニア転職の難しさを目の当たりにし、シニアの支援をライフワークとすることを誓った。売上前年比が最高で300%に及ぶ成長を続け、現在に至る。専門紙を中心にシニアの転職・キャリアプラン、シニア採用等のテーマで連載・寄稿中。
米国に続き日本でも…? ブルーカラーの「給与逆転現象」
日本においてもブルーカラーの給料がホワイトカラーを逆転する「ブルーカラービリオネア」のような現象が発生し始め、しばしば報道や解説が出ている。ブルーカラービリオネアとは、筆者も過去のコラムで解説したことがあるが、AIによってホワイトカラーの活躍や雇用が縮小し、一方、AIでの代替がきかないブルーカラーの雇用が増え、賃金も高めになる現象で、生成AIサービスの提供企業を含めたテック企業がひしめく米国などで発生している。
日本において、ブルーカラーの給料がホワイトカラーを逆転した情報として記憶に新しいものは、今年2月にリクルートワークス研究所から出された、職種ごとの賃金の上昇率を調査した『「稼げる仕事」の変化―二極化するブルーカラーの賃金上昇』というコラムである。
リクルートワークス研究所のコラムでは、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(賃金センサス)のデータを元に、年収上昇率が多い職種やホワイトカラー、年収が上がっていない職種や下がった職種の2020年と2024年の年収額を比較している。
その結果、“「総合事務員」と「自動車整備・修理従事者」では年収額の逆転が起こった”、“「建設躯体工事従事者」も「企画事務員」を除いた主要事務職の年収額を上回る”といったことが述べられ、このことが多くのメディアでも報道された。
今回は、こうしたブルーカラーの賃金上昇は米国のブルーカラービリオネアと同じなのか、AIによる雇用への影響を含め、今後どうなっていくのかについてひもとく。
自動車整備や大工・とび職は年収100万円以上増の大幅上昇
まずは、リクルートワークス研究所のコラムで述べられている内容を簡単に整理しよう。先に挙げたように、「自動車整備・修理従事者」の年収が「総合事務員」を追い抜き、「建設躯体工事従事者」の年収も主要事務職より高くなっていることについて、具体的にコラムで述べられている2020年と2024年の年収額を比較してみる。
2020年に407万5,000円だった「自動車整備・修理従事者」の年収は、2024年には480万4,000円となり、2020年は435万9,000円で上回っていた「総合事務員」の年収が、2024年は467万7,000円だったため、「自動車整備・修理従事者」が逆転した。
同じく、大工、とび職、組立工などの「建設躯体工事従事者」では2020年は373万6,000円だった年収が、2024年には492万1,000円と大幅に上昇し、「総合事務員」だけでなく、2020年の422万6,000円から2024年に469万1,000円となって、2024年時点で「企画事務員」以外では最も年収が高い「庶務・人事事務員」よりも高い年収となっている。
この2職種はまさしく、ブルーカラーの賃金がホワイトカラーの賃金を逆転した事例として話題を呼んでいる。
その他、コラムではこの4年間で最も年収額が上昇した職種には「タクシー運転手」が挙げられており、また、賃金が公定価格である医療・介護・学校教員などの職種については、年収額があまり上がっていないかもしくは下がっているとされている。
こうした賃金の動きを見ると、「配管工の収入が医師より高い」と言われる米国のブルーカラービリオネアの日本版が始まっているように感じる。
だが、ここですぐに「日本でもブルーカラーの時代が来た」と判断するのは早計だ。なぜなら、現在の日本の労働市場には、米国とはまったく違う“決定的な違い”が潜んでいるからだ。 【次ページ】日本人はブルーカラーを目指すのか? 米国との“決定的な違い”
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