- 2026/06/22 掲載
【過去最高】シニア起業が増加中…それでも独立を勧められない“残酷な現実”とは
50代以上に特化した人材紹介、人材派遣を提供するシニアジョブ代表取締役。1991年、茨城県生まれ。少年~学生時代はサッカーに打ち込み、J1のユースチームで活躍。大学在学中に仲間を募り、シニアジョブの前身となる会社を設立。2014年8月、シニアジョブ設立。当初はIT会社を設立したが、シニア転職の難しさを目の当たりにし、シニアの支援をライフワークとすることを誓った。売上前年比が最高で300%に及ぶ成長を続け、現在に至る。専門紙を中心にシニアの転職・キャリアプラン、シニア採用等のテーマで連載・寄稿中。
「老後2,000万円問題」あなたはどう備える?
もう既に、定年後に公的年金だけで生活できると考えている人は少数派かもしれない。2019年にいわゆる「老後2,000万円問題」が出た際は、年金だけでは2,000万円が不足するという試算に多くの人が驚愕したが、現在ではほとんどの人が年金以外にも何らかの老後の収入を考えているように思う。
あなたなら、老後の収入について年金に何をプラスして生活を維持するだろうか。
元気なうちは会社で働き続けたいという人もいるだろうし、最近はNISAなどの制度が整備されたこともあって投資を始める人も多い。
一方で、起業するシニアも増えていることはご存じだろうか。
帝国データバンクが2026年5月26日に発表した調査結果では、起業時点での代表者の年齢の平均が48.9歳となり、過去最高となっただけでなく、代表者の年齢比率でみると、「60代以上」が20.5%を占め、2000年以降のデータでは過去最高だったという。
今回はこのように増加する「シニア起業」が、老後の収入の得方としてどのくらいおすすめなのか、何に注意すべきなのかを解説する。
【統計解説】シニア起業数が過去最高に、その実態は?
まずは、シニアの起業が増えているという帝国データバンクの調査結果データを、もう少し詳しく見ていこう。冒頭で述べたとおり、起業した代表者の平均年齢が高くなり、代表者の年代も「50代」「60代」「70代」「80代以上」といったシニア層が増加し、反対に若手は減少しているというのが、調査結果の概要である。
具体的には、起業時点での代表者の平均年齢は前年から1.2歳上昇した48.9歳で過去最高となった。また、代表者の年齢比率も「50代」は26.6%、「60代」は14.1%、「70代」は5.2%、「80代以上」は1.2%でいずれも2000年以降で最高となっている。
反対に、「40代」は29.1%で年代の中ではもっとも割合が高いものの、14年ぶりに20%台まで下がり、「30代」「20代」も割合が下がっている。
筆者はシニアの転職を支援する立場から、シニアの起業も応援したいが、筆者自身は学生起業したので、若者の起業が減っていることには寂しさを感じる。
しかし、シニアの起業の増加は、筆者が運営するシニアの転職支援の現場でも感じている。
たとえば、会社経営者のシニアや個人事業主のシニアが副業を探すようなこともよく見かけるし、雇用するのではなくシニア向けの業務委託の募集案件も増えている。
元気であれば、シニアであっても雇用という形にこだわらず、起業して働いても活躍できると思うし、職種によっては雇用よりも起業したほうが仕事を探しやすい場合もあるので、筆者個人としてはシニアの起業も良いことだと考えている。 【次ページ】プロが語る、シニア起業支援の厳しすぎる現実
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