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  • 2026/06/19 掲載

半導体一極集中は本当?日本株を牽引する“意外なセクター”と好調脅かす「死角」とは

【連載】エコノミスト藤代宏一の「金融政策徹底解剖」

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2026年6月、日経平均株価は初めて7万円の大台を突破。長らく半導体関連銘柄の一極集中と称される市場の盛り上がりを見せるが、実はその裏で非鉄金属やガラス、それ以外にも幅広い分野が新たな存在感を示している。しかし好調な株価の影には、個人消費や賃金上昇、原油高や長期金利上昇といった「日本株の死角」も潜んでいる。本稿では、今後の日本株の持続的な成長を左右する要因を第一ライフ資産運用研究所 主席エコノミスト 藤代氏が多角的に探っていく。
執筆:第一ライフ資産運用経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト 藤代 宏一

第一ライフ資産運用経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト 藤代 宏一

2005年、第一生命保険入社。2008年、みずほ証券出向。2010年、第一生命経済研究所出向を経て、内閣府経済財政分析担当へ出向し、2年間「経済財政白書」の執筆、「月例経済報告」の作成を担当する。2012年に帰任し、その後第一生命保険より転籍。2015年4月より現職。2018年、参議院予算委員会調査室客員調査員を兼務。早稲田大学大学院経営管理研究科修了(MBA、ファイナンス専修)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。担当領域は、金融市場全般。

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6月17日、日経平均は初の7万円の大台を超えるなど、急激な株価上昇を見せている
(本文を基に生成AIで作成)

半導体一極集中は本当か? 相場を牽引する“意外な業種”

 日経平均株価は6月17日に初めて7万円の大台を超えた。3月に入り、イラン情勢の悪化に伴う原油高を受けて一時は急落したものの、4月以降はAI需要に裏打ちされた半導体関連銘柄に牽引され、相場は急速に切り返した。こうした株価上昇は、しばしば半導体一極集中と言われる。もっとも、半導体産業は多業種にまたがっており、意外と裾野が広い。

 意外感があるかもしれないが、今年の株式相場を牽引した業種は「非鉄金属」である。一般的に非鉄金属と聞くと、アルミや銅に関連した製品を手掛ける伝統的かつ成熟した企業を思い浮かべる方が多いと思われる。

 事実、AI向け半導体が隆盛を極めるまでは、株式市場においても「イノベーションが期待しにくい素材系の銘柄群」という存在でバリュエーションは高くなかった。もっとも、AI関連銘柄の物色が広がって以降、このセクターの見方は大きく変わった。

 非鉄金属は、半導体とは縁遠いと思われがちであるが、このセクターにはデータセンター向けの電線で圧倒的な競争力を有する企業が含まれているほか、半導体製造に欠かせない高純度金属、銅箔(どうはく)、スパッタリングターゲットといった特殊な製品群で高シェアを誇る企業が複数含まれている。
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 データセンターなどAI関連の実物投資が盛んになると強い恩恵が及ぶため、ゴールドラッシュにおける「つるはし商人」に例えられることが多い。なお自動車向けワイヤーハーネスや従来型の通信、送電用の電線事業はさほど伸長していない。
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半導体と無縁な企業がなぜ? 株価を裏で支えるニッチ銘柄

 もう1つ意外感がありそうなのは、「ガラス・土石製品業」である。こちらも半導体との関係が希薄にみえて、実は密接な企業が多く含まれる。製品群としてはガラス繊維(クロス)、セラミックなどがあり、それぞれ半導体製造において重要な役割を担う。

 ガラス繊維はプリント基板の材料として、セラミックは基盤の製造や装置内での固定などに用いられる。これら製品群を手掛ける企業はその領域においてグローバルニッチの地位を確立しているため、価格決定力が強く、株式市場で極めて高い評価を得ている。なお自動車や住居、オフィスなどの窓ガラスの出荷が著しく伸び、業績が拡大しているのではない。

 そして「機械」も大きく株価上昇に貢献した。2026年入り後、防衛関連の伸びに一服感が見られるのをよそに、半導体の切断・研磨を手掛ける企業が買われ、高パフォーマンスとなった。

 そして電気機器も重要。こちらは主として前工程を手掛ける半導体製造装置企業の貢献が大きいほか、検査装置を手掛ける企業の株価上昇が著しい。その他ではNANDフラッシュメモリーやSSDを手掛ける企業、コンデンサー、パッケージ基板といった電子部品を手掛ける企業の株価が好調であった。

 ここまで、半導体相場を支える「非鉄金属」や「ガラス・機械」の躍進について触れたが、日本株の快進撃を支えるピースはこれだけではない。続いては、さらなる「隠れ半導体銘柄」の存在を明らかにするとともに、この好調な相場を終わらせかねない「死角」について藤代氏が解説する。
【次ページ】価格競争に沈む「ある産業」で、なぜ一部銘柄が勝てるのか?
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