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- 2026/02/03 掲載
新NISA投資、続ける者だけが生き残る?「明暗分かれた2年」の真実に迫る
なぜ「新NISAは全員に優しい制度」のはずだったのか
2024年に鳴り物入りで始まった新NISAは、岸田政権が掲げた「資産所得倍増プラン」の柱であった。非課税保有期間の無期限化や、年間投資枠の大幅な拡大(最大360万円)は、それまでの投資制度の常識を覆す画期的な内容だった。国がこの制度を導入した背景には、少子高齢化に伴う公的年金制度の補完という切実な狙いがある。個人が自立して老後資金を形成するための「最強のツール」として提供されたのが、この新NISAであった。
具体的には、日本に眠る2,000兆円超の個人金融資産を投資へと振り向け、経済成長の果実を家計に還元することにあった。預貯金に偏重したポートフォリオを改善し、長期・積立・分散投資を推奨することで、リスクを抑えながら資産を増やすモデルが理想とされた。実際、制度開始直後の2024年には、ネット証券を中心に口座開設数が大きく増加した。
2年で明暗が──新NISA“勝ち組・負け組”の典型パターン
運用開始からわずか1、2年という短期間でも、投資家間のパフォーマンスには決定的な差がついた。2026年現在、短期的な市場のノイズを無視し、規律ある投資を継続した人々と、感情に振り回されて売買を繰り返した人々には大きな差がついた。全世界株式(通称:オルカン)などのインデックスファンドに特化し、定額積立を継続した層は、最も安定した収益を得ている。2024年以降、世界景気の減速懸念やトランプ関税、為替の変動などで相場が冷え込む場面もあったが、彼らは「ドル・コスト平均法(一定金額を定期的に購入する方法)」の恩恵を受け、平均取得単価を抑えることに成功した。2026年の株価回復局面において、最も恩恵を受けているのは、こうした「何もしなかった」投資家たちである。
一方で、成長投資枠を使い、流行の半導体関連株や生成AI関連のテーマ株、あるいは高い配当利回りだけを基準に個別銘柄を選好した投資家の中には、大きな含み損を抱えたケースもある。特定のセクターに資金が集中した反動による急落に耐えられず、含み損を抱えたまま売却した例もある。分散を欠いた集中投資が、新NISAの非課税メリットを打ち消してしまった格好だ。
スマートフォンの証券アプリによる利便性の向上と、SNSでの情報拡散は、投資家の行動に負の影響も与えた。他人の収益報告を見て焦りを感じたり、インフルエンサーの推奨銘柄をうのみにしたりすることで、自身の許容できるリスクを超えた投資を行ってしまうケースが多発した。冷静に自身の資産状況を管理できているかどうか、改めて確認したい。 【次ページ】新NISAで差がついた「3つの分岐点」
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