- 2026/09/15 06:30 掲載
都心タワマンに「売れ残り」の異変…マンション暴落が始まる“2つの条件”(3/3)
都心・湾岸で異変、「高値物件」が売れなくなった
マンション業界のベテランたちは、平成のバブル崩壊もリーマンショックも経験している。この2つがどれほど大きな混乱を引き起こしたのかを、間近で見てきたのである。彼らは今、恐る恐る「暴落」の予感を語り始めている。
市場にも、その兆しが見え始めた。2025年後半から、マンション市場は明らかに変調をきたしている。
まず、都心や湾岸で中古物件の動きが鈍った。市場価格を上回る値付けを狙う、いわゆる「チャレンジ価格」の物件が成約しにくくなった。市場価格まで値を下げて、ようやく買い手がつく状態だ。
2026年に入ってからは、その動きもさらに鈍りつつある。
一方、絶好調だった新築マンション市場にも冷却の兆しが見える。都心周辺や湾岸のタワーマンションでは、建物完成後も実質的な「売れ残り」となる住戸が大量に発生する兆しが出てきた。
これらは「下落」の前触れなのか。その先に待っているのは、暴落なのか。
最近、メディアに掲載されるマンション市場の記事でも、「暴落」をにおわせる論調が目立つようになってきた。私は10年ほど前から「中国人は売りに回るときは一斉に動く」と指摘してきたが、最近では同様の論調の記事も見かける。
やがて来るかもしれない「暴落」への備えなのだろうか。そのときになって「自分はちゃんと指摘していた」と言うための材料づくりなのか。
では、彼らが恐れる「暴落」は、本当に迫っているのだろうか。
【必見】マンション暴落に必要な「2つの条件」
結論から言おう。過去2回の教訓から考えると、暴落はまだ先である。ここでいう過去2回とは、1990年代後半のバブル崩壊期と、2009年以降のリーマンショック不況に伴うマンション価格の下落である。
バブル崩壊期には、金融引き締めと不況が同時に起きていた。一方、2009年以降の下落時は不況だったものの、金融政策は緩和状態にあった。
この経験から考えると、マンション価格が本格的に下落する条件として重要なのは、(1)不況、(2)金融引き締め、という2つの要素である。
現在は「金融引き締め」が進みつつあるものの、不況ではない。
高市政権は、現在の日本経済が「デフレマインドを脱していない」として消費税減税の必要性を訴えているが、私は現状とのズレを感じる。今の日本は不況ではなく、物価は上昇している。
一方、金利は引き上げ傾向にある。マンション価格の上昇が鈍ってきた背景の1つと考えられる。
では、ここから本格的な下落に転じるには何が必要なのか。
残る要素は「不況」である。
今の日本を見るかぎり、国内要因だけで急激な不況に陥る兆候は乏しい。日本の産業構造は、人口減少に伴う縮小均衡(規模が縮んだ水準で経済活動がつり合う状態)に対応しつつある。
景気循環による大きな変動も起きにくくなっており、足元では緩やかな成長が続いている。
では、不況が訪れず、マンション価格も下落しないのだろうか。
そんなことはない。
暴落の引き金は日本の外?次に警戒すべき「世界不況」
AIバブルの崩壊、中国経済の明確な失速、アジア通貨危機の再来、世界的な株価急落……。世界規模の不況を引き起こしかねない要因はいくつもある。
そして、それが現実になったとき、日本のマンション市場にも本格的な「暴落」がやって来るのである。
そのときは、そう遠くない未来のように思える。
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