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  • 2019/09/16 掲載

1日を240時間にできる?「時間はお金で買うべき」と言える理由

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世界は「資本主義経済」という名のゲームだ。一人ひとりが主人公であり、自由に動き回って与えられたルールを利用し、モノを買ったり、資本を増やしたり、リターンを受け取ったりしながら、願望や夢を達成することができる。このゲームをプレイする上での鍵は「時間をいかに支配するかにある」と言い切るのは、野村証券で富裕層営業のトップセールスを経て、マザーズ上場のフィンテック企業「ZUU」の創業者・代表取締役社長兼CEOをつとめる冨田和成氏だ。9月19日に新著『資本主義ハック』を上梓する同氏が、「1日を240時間にできる方法」を解説してくれた。

ZUU 代表取締役 冨田 和成

ZUU 代表取締役 冨田 和成

一橋大学在学中にIT分野で起業。2006年大学卒業後、野村證券株式会社に入社。本社の富裕層向けプライベートバンキング業務ASEAN地域の経営戦略担当等に従事。2013年3月に野村證券を退職。同年4月に株式会社ZUUを設立し代表取締役に就任。金融経済メディア「ZUU online」を含む資産運用の総合プラットフォーム運営、月間訪問者数は 650万人を超える。金融機関や不動産業界のフィンテック化の推進支援や企業に対して鬼速PDCAシステムを導入する鬼速PDCAエンジニアリング事業を展開。2018年6月、設立約5年で東京証券取引所マザーズ市場に上場。

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ZUU 創業者・代表取締役社長兼CEO 冨田和成氏

資本と時間の関係

 時間は大切だということは多くの人が知っているが、なぜそこまで大切なのかということについてはっきりと言語化できる人は少ない。本稿では資本とそれによるリターンの最大化という切り口で説明していきたい。

 まず、資本とリターンの関係は次の計算式で表すことができる。

資本の大きさ×利回り×時間=リターン

 素晴らしいスキルや人脈やブランドを持つAさんがいたとする。彼女の生産性は、一般的な人であるBさんの5倍もあるとしよう。

 しかし、もしAさんが仮に家族や自分の趣味の時間で忙しく、仕事に注ぐ時間が週に5時間しかないということであれば、リターンはたかが知れている。

 Bさんが週に100時間働くなら、その労働時間は20倍。5倍程度の生産性の違いでは差を埋めることは不可能だ。つまり、人が持つ時間を何に配分するかによって、資本のリターンは大きく変動するということだ。

 他の資本の例として、株などもわかりやすい。

 1000万円分の株を持っていて、その株が1年間で3%分の配当を出すのだとしたら、1年持てば30万円のリターン、2年持てば60万円のリターンが得られる。その資本をどれだけの時間所有できるのかで最終的なリターンが決まってくるのだ。

 また純粋に時間が生まれると人的資本である「知識・スキル」「信用・ブランド」「人脈・ネットワーク」を厚くすることなどに再投資することができる。

 たとえば、休日の時間を仕事のための勉強や語学、または人脈の構築などに充てる人と、休日の大半はだらだらと過ごして、残りの2時間だけを人的資本に投下する人とでは、いずれ稼ぐ力の面で大きな差が開いているはずだ。

 このように、資本は時間と非常に深く関わっており、いかに時間を支配するかによって人と人の間に二次関数的な差をもたらしていく。時間を支配したことで、資本を手に入れ、その資本を活用することでさらに多くの時間を支配するという循環になっていく。これは資本が資本を呼び込む資本主義経済の構造そのものだ。

 では、どうすれば時間を支配し、1日に時間しかない時間を時間、100時間、200時間……と増やしていくことができるのだろうか。

 考え方は大きく2つに分けることができる。

 まず1つが、あなたが時間を費やしているものを極限までアウトソーシングしていくこと。もう1つが、あなたが時間を費やしているものの中で、もうひとつのこと、もうふたつのこと……と同時にできることを増やしてしまうことである。順に解説しよう。

アウトソーシングで時間を240時間にする

 アウトソーシングとは、本質的には「時間をお金で買う」ことである。時間の切り売りとは真逆の考え方だ。

 時間を買うことができるものやサービスとして、最近では時短家電が人気を集めており、家事代行や宅配ボックスなどの需要も高まっている。過去には自分の時間を投下することでしか得られなかった価値を、電化製品や他者などの仕組みにアウトソーシングすることが可能になったのだ。

 ちなみに、私が担当してきた富裕層と言われる人たちの多くが、自分の時間を最大化するために、他人に振ることや仕組み化することを徹底して考えていた。

 たとえば、「家政婦さんに家事をアウトソーシングする」「アイロンがけが必要なものはクリーニングに任せる(配達も)」「食事は外食か出前を取る」「教育は家庭教師や幼稚園などに任せる」などは、まさに自分の時間を最大化するためのアウトソーシングであり、時間を買っている行為といえる。

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まさに「時は金なり」と言うように、資本は時間と非常に深く関わっている
(Photo/Getty Images)

 つまり、企業が内製するか外製するか考えるように、日々自分がやることとやらないことを、時間価値のリターンとコストで比べているのである。

 シェアリングエコノミーの時代になり、クラウドソーシングでは、個人でも作業を依頼できるようになった。自分が日々行っている活動の多くがアウトソーシングできる。実際には、日本だけでなく、世界中の労働力を買えるようになっているのだ。

 実際にアウトソーシングするためには次のようなことを意識するといい。

(1)自分が1日やっていることをすべて書き出してリスト化

 会社の時間、個人の時間も含めてすべてを書き出す。人によっては週間ベース、1か月ベースでもいい。

 そのリストの一覧と時間配分を見ると、実は優先順位が低いことに時間を使っていることがわかる。受験の際には、英語200点、国語100点、社会100点という配点であれば、2:1:1を理想として勉強時間を確保したほうがいいのと同じように、いま達成したいこと、大切にしたいことから逆算して時間が配分されている必要がある。

 その理想のイメージをもとに、自分でやること、アウトソーシングするものにふりわけていく。加えて、アウトソーシングするものの中で、それぞれのアウトソーシング可能な時間とその対価であるお金が見合うか一つひとつ検証し、決断・発注していく。

 一つ注意したいのは、多くの人がアウトソーシングするものでも、自分にとってどうしても必要な時間、たとえば「自分は料理をしている時間が幸せだ。自分が作ったものを家族に食べてもらって喜んでいる顔を見るのが好きで、自分も幸せになる」といったような時間は大切に残せばよいということだ。その価値観は人それぞれだ。

【次ページ】リスト化すべき、もう1つのこととは?

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