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  • 2019/12/26

【キャリア相談】50代の「定年後」は安泰か? 今から磨いておくべき4つのスキル

連載:大杉潤の「人生100年」時代のキャリア相談所

元銀行員、大杉潤による「人生100年時代」のキャリア相談。今回は、定年まであと10年を切った金融機関に勤める50代の会社員から、「このまま会社内の狭い世界で仕事をし続けて、人生100年時代に将来の生活は大丈夫でしょうか?」という「定年後のキャリア」に関する相談が寄せられた。大杉潤の厳しい答えとアドバイスとは?

合同会社ノマド&ブランディング チーフコンサルタント 大杉 潤

合同会社ノマド&ブランディング チーフコンサルタント 大杉 潤

1958年 東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本興業銀行(現みずほ銀行)に22年間勤務した後、東京都が設立した新銀行東京の創業メンバーに。その後、人材関連会社およびメーカーの人事責任者を経て、2015年より独立し、コンサルタント、研修講師、ビジネス書作家として活動。HRインスティテュート・アライアンスパートナー、リ・カレント プロフェッショナルパートナー、カインドウェア顧問。主な著書に『銀行員転職マニュアル 大失業時代に生き残る銀行員の「3つの武器」を磨け』(きずな出版・2019年)『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書・2018年)『入社3年目までの仕事の悩みに、ビジネス書10000冊から答えを見つけました』(キノブックス・2017年)がある。

WEBサイト:http://www.jun-ohsugi.com

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【大杉氏への相談内容】

(西岡浩平 <仮名> 50代・金融機関に勤務の会社員)

 大杉さん、こんにちは。私は、新卒で入社以来、ずっと同じ会社(金融機関)に勤め続けている50代の会社員です。定年の60歳まで10年を切り、「このままずっと今の会社で仕事をし続けて、定年後のキャリアや生活が果たして大丈夫だろうか」と、ふと不安に襲われることが多くなりました。

 もともと金融機関での今の仕事は自分に向いていると感じています。これまで、そりの合わない上司とか、言うことを聞かない部下など、人間関係の悩みもありましたし、不本意な人事異動、評価など、さまざまなつらい経験もしてきました。ただ全体としてみれば、会社内での仕事や自分のキャリアについては、恵まれていたほうだと思っています。

 また現在、特に会社や職場に大きな不満や問題があると感じているわけではありませんが、人生100年時代となり、定年後の期間が30年以上に及ぶ可能性が十分にあるので、このまま定年まで漫然と過ごしていて、将来自分にできることがあるだろうかと強烈な不安を抱くようになっています。

 当社は、60歳の定年退職時に希望すれば、よほどのことがない限りは、65歳まで再雇用される制度があり、年収は大幅に下がるものの、そのまま働き続けることができる環境も用意されています。

 ただ、定年退職した先輩社員を見ていると、かつて上司だったころの迫力や元気はまったくなくなってしまい、60歳以降の再雇用で働く様子は特に暗いと感じます。言い方に語弊があるかも知れませんが、「ただ惰性で会社に出勤しているだけ。毎日、新聞や資料を読んだりするだけで、ほとんど仕事らしい仕事をしていない」という感じなのです。

 まして65歳を迎えて、完全に会社から離れてしまった先輩では、先日偶然に電車の中で姿を見かけたのですが、声をかけるのも躊躇するほど元気がない様子で寂しげでした。こうした先輩たちを見ていると、どうしても10年後の自分が重なってきてしまいます。「自分は果たしてこのままでいいのだろうか」と、心から不安になりました。ぜひ、大杉さんにアドバイスをいただきたく相談した次第です。

大杉潤の答え

 1989年に発刊された『会社の寿命(日経ビジネス著)』によると、「企業の寿命は30年」と言われていますが、現在の情報革命による変化の激しい時代では、会社の寿命はさらに短くなっています。実際、東京商工リサーチの調査によれば、2018年に倒産した企業の平均寿命は23.9年でした。

 一方で、日本人の寿命は毎年延びており、男性で平均81歳まで、女性で平均87歳まで生き続けることになります(厚生労働省「簡易生命表」、2017年)。

 このように、会社の寿命が短くなるのに比べて、私たち人間の寿命は長くなっているため、「将来の働き方」について、いろいろと考え、悩む人が増えているのです。

 西岡さんの勤めている会社は、おそらく安定されていて、会社そのものに関する不安や問題はないようです。しかし、現在はVUCAの時代(Volatility=変動性、Uncertainty=不確実性、Complexity=複雑性、Ambiguity=曖昧性の時代)と言われるように、「先が予測できない時代」です。

 常に会社の外に出ても通用する「ポータブル・スキル」を身につけておくことが必要でしょう。

定年後も長く働き続けるための「トリプル・キャリア」論

 この「ポータブル・スキル」を考えるうえで、私は2018年に出版した『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)において、定年後も長く働き続けるための「トリプル・キャリア」という考え方を提唱しています。

  1. ファーストキャリア: 会社員として「雇われて働く」期間
  2. セカンドキャリア: 定年のない「雇われない働き方」
  3. サードキャリア: 体力・健康面の制約を踏まえた「理想の働き方」

 人生100年時代の人生設計を考えてみましょう。定年後もずっと働き続けることにより、収入が続いて「お金」の不安が減ります。さらに仕事上の人間関係が続くことで「孤独」の不安がなくなります。かつ働き続けることで、規則正しい、緊張感を持った生活習慣を継続することにより、「健康」にもなります。実は「健康」だから働くのではなく、働いているから「健康」なのです。

 つまり、定年後の3大不安(お金・孤独・健康)は長く働き続けることにより、すべて解決するのです。

 では、定年後も長く働き続けるにはどうすればいいのか。私は、働く期間をあらかじめ3つに分けて人生設計を考えることで、自分の人生を自らコントロールするのが良い、と考えています。

 会社員にとっては、「65歳の壁」「75歳の壁」という2つの壁があって、その前後のタイミングで、それぞれセカンドキャリア、サードキャリアに移行することを薦めています。

 「65歳の壁」は言うまでもなく、再雇用後の「完全定年の壁」。これ以降は同じ会社で働き続けることは難しいので、それまでに(できれば60歳定年時までに)、雇われない働き方に移行するのです。

 「75歳の壁」とは、体力面・健康面の衰えからくる壁で、ここで自分がどうしても最後までやりたい仕事(「コア事業」と呼ぶ)に絞り込んで、働く場所や働く時間を制限したサードキャリアに移行します。

 いわゆる自分のライフワークだけに特化して、好きな場所で、好きな時間だけ仕事をする「理想の働き方」を実現します。少なくとも85歳まで、できれば「生涯現役」で働くことを目指すのです。

 このサードキャリアの仕事までをあらかじめ展望し、そのためのセカンドキャリアのプランを立て、そしてそのためにファーストキャリアである会社員としての働き方を、バックキャスティングで(未来から現在を考える思考法で)戦略的に考えていく人生設計が「トリプル・キャリア」という考え方です。そしてそのカギは、会社員としての50代での働き方になります。

【次ページ】50代の会社員が磨くべき「4つのスキル」

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