- 2026/09/04 07:00 掲載
京セラや神戸製鋼など約20社、国産フィジカルAIの共同開発に向け企業連合を発足
完全自動で切削加工を行う次世代の工作機械を共同開発
プロジェクトの中核となるのは、アルムが開発したAI制御システムを用いた完全自動の工作機械である。このシステムは独自の3次元認識エンジンを搭載し、設計データを読み込むだけで加工箇所を瞬時に認識する。従来は熟練技術者が長時間をかけて手作業で行っていた工程設計や工具の選定、工作機械を動かすプログラムの生成から、素材の段取り、実際の切削加工に至る一連の作業を自動化する。
参画する各企業はそれぞれの得意分野で知見を提供する。京セラは加工が難しいセラミックスの製造プロセスに関するデータを提供し、手作業に頼っていた工程の自動化を図る。神戸製鋼所は自社の機械事業部門で工作機械を導入し、鋳造品や鍛造品に向けた専用のAIモデルを共同で開発する。ニデックマシンツールはAIの仕様に合わせた工作機械の本体を設計して提供し、日本マイクロソフトはクラウドインフラの提供や対話型AIの構築を技術面から支援する。双日グループの法人は、将来的な東南アジアなど海外市場への展開に向けた販路開拓を担う。
共同開発される自動工作機械は、自動車や半導体製造装置、建設機械、宇宙航空分野などで使用される大型かつ複雑な形状を持つ部品の加工を主な対象とする。各社から提供される多様な製造データや加工ノウハウを共通のAI基盤に継続して学習させることで、産業横断的に利用できる製造プラットフォームの構築を進める。
日本政府は2040年度までに官民合わせて物理空間で稼働するAI分野に10兆5000億円を投資する目標を掲げており、今回の企業連合の取り組みもこの方針に沿ったものである。企業の垣根を越えて国内の製造データを集約し、海外の技術に依存しない独自の自律製造基盤を確立することで、労働力減少の課題を克服し日本の製造業の競争力を高める狙いがある。
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