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自動車業界は、大きな変革期に突入している。カーボンニュートラルの実現に向けての電動化やデジタル技術の発達による高度な知能化、複雑化が進行しつつあるからだ。急激な変化に対して、どのような対応が必要なのか。日産自動車の車両生産技術開発本部生産技術研究開発センター部長である住真夫氏が、生産システム「ニッサン インテリジェント ファクトリー」の事例紹介をまじえて、「次世代のクルマづくり」について解説する。

2050年のカーボンニュートラル実現に向けた日産自動車の取り組み

 日産自動車は、2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクル全体での「カーボンニュートラル実現」を掲げ、自動車の電動化と生産技術のイノベーションを推進している。こうした活動の起点となるのは、2002年スタートの「ニッサン グリーン プログラム」である。日産自動車の車両生産技術開発本部生産技術研究開発センター部長の住真夫氏は、この取り組みをこう語る。

「ニッサン グリーン プログラムでは、2010年には初代EVである『リーフ』の量産を始め、日常使いのEVとしてメインマーケットへの提供を始めました。その後もクルマづくりにおいて、なるべく少ないエネルギーでCO2排出を低減することに継続して取り組んできました」(住氏)

 日産自動車では、2005年から2019年にかけて、1台のクルマの製造における30%のCO2排出削減を実現している。現在のエネルギーの内訳は電気が71%、ガス・燃料は29%だ。このガス・燃料をいかにゼロにするかが、今後の重要なミッションである。

 2050年に向けて、カーボンニュートラル対応のロードマップの作成、技術開発も進行中だ。特徴的なのは、クリーンな代替燃料を使った燃料電池(SOFC)によるカーボンニュートラル発電など、再生可能エネルギーとセットでクリーン化のトライアルを拡大していることだろう。ここからさらにくわしく、日産自動車の生産工場のDXについて解説していこう。

この記事の続き >>

  • ・脱炭素を目指す日産、「生産現場DX」の軌跡とは?
    ・日産の「インテリジェント ファクトリー」4つの柱
    ・「人とロボットの共生」で日産はどう変わった?

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