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- 2023/05/08 掲載
日本経済が衰退する「当然の理由」、時価総額ランクで読み解く“復活のカギ”とは
連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質
大量解雇で「テック・バブルは終焉」か?
米国の大手IT企業では人員整理が続いていると報道されている。半導体需要も総崩れで、好調を続けてきた台湾の半導体企業TSMCも、2023年12月期は減収になると報道されている。コロナ下の巣ごもり事業でIT製品が急激に伸びたのだが、いまその反動に直面しているというわけだ。こうしたニュースを見ていると、これまでは米国のハイテク企業を中心に世界経済が回っていると思っていたのだが、それは一時的なバブルに過ぎなかったのかと考えたくなる。
本当にそうなのだろうか?
米ITがほぼ独占の「時価総額トップ10」
これを確かめるため、時価総額の世界ランキングを見よう。時価総額を見るのは、それが企業の将来性を表していると考えられるからだ。世界の時価総額リストで上位をほぼ独占してきた米国大手IT企業の地位は、いま低下しているだろうか? 実際には、世界の時価総額ランキングのトップは、依然として米国の巨大IT企業によって占められている(図1)。
Largest Companies by Market Cap(4月25日時点)のランキングを見ると、米国企業では、1位アップル(2.6兆ドル)、2位マイクロソフト(2.1兆ドル)、4位アルファベット(1.4兆ドル)、5位アマゾン(1.1兆ドル)、7位エヌビディア(6,679億ドル)、8位メタ(5,458億ドル)といった具合だ。
アジアでは、台湾のTSMCが世界第15位で4,389億ドル、韓国のサムスンが3,232億ドルで世界第25位だ。このように、ハイテク企業はいまだに健在だ。
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