- 2026/09/10 11:30 掲載
中国上場テック、AI投資で新株発行ラッシュ──410億ドル超評価に懸念広がる
調達資金の約60%は世界のコンピューティングインフラ拡充に、約40%は大規模AIデータセンターの整備やストレージ、データベース、高性能ネットワークなど既存クラウド基盤の更新に充てるという。
ただ、発行条件の公表後には株価が大きく動いた。英ロイターによると、8月24日の香港市場でアリババ株は序盤に8%下落した。発行価格は前週末の香港市場の終値を8.4%下回る水準だった。同報道では、運用会社幹部が短期的には株主持ち分の希薄化がマイナス材料になるとの見方を示した。
こうした動きを中国テック全体に広げて集計した米ブルームバーグは、アリババのほか、Z.AI、ミニマックス、ビレン・テクノロジーなども追加株式発行に動いた企業として挙げている。ブルームバーグによると、2026年の調達額は410億ドル(約6兆3,000億円)を超え、少なくとも2020年以来の高水準となる見通し。
Z.AIは7月、最大1,978万株を1株1,588香港ドルで発行する計画を発表した。総調達額は約314.1億香港ドル(約6,150億円)で、直前終値に対する発行価格の割引率は12.99%。同社は6月末までに、1月の新規株式公開で得た純調達資金の93%超をすでに使用したとしており、新たな資金を研究開発や計算資源、事業拡大などに振り向ける方針だ。
ミニマックスも7月、3,560万株を1株268香港ドルで発行すると発表。株式発行による総調達額は約95.4億香港ドル(約1,870億円)で、AIインフラやモデル研究開発、海外での事業展開などに充てるとしている。ビレン・テクノロジーも同月、次世代製品の研究開発や商用化などを目的に追加増資へ動いた。
背景には、AI事業の成長と同時に膨らむインフラ投資がある。クラウド事業やAI関連製品の売り上げは拡大しており、投資負担と成長が同時進行している。
追加株式発行は企業に大型投資の原資をもたらす半面、発行済み株式数を増やす。市場が今後見極めることになるのは、巨額のAI投資による利益成長が、新株発行による希薄化をどこまで吸収できるかだ。
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