- 2026/09/29 06:30 掲載
りそなが挑む「銀行のデジタルチャネル化」、金利に頼らない収益構造の全設計とは?(3/3)
金利が戻った今こそ「金利だけに依存しない」収益構造を築く理由
2025年以降、日銀の政策金利引き上げを受けて、銀行業界の資金利益は大きく回復した。りそなHDも好調な業績を上げている。しかし新中計では、「金利だけに依存しない収益構造」が掲げられている。追い風が吹いている最中に、なぜそのような目標を立てるのか。「金利が戻ってきて感じるのは、資金利益ってこんなにも一気に変わるものだということです。日銀の政策金利が変わっただけでこういう環境が戻ってくる」(川邉氏)
ここに川邉氏の危機感がある。米国の政策動向、物価高、地政学リスク──外部環境は予測不能な要素に満ちている。何かが起きれば、あるいは何かの歯車が逆に回り始めれば、資金利益の環境は一気に悪化しかねない。
預金と貸金だけに収益を依存していると、環境変化のたびに業績が大きく振れる。企業の構造を筋肉質にするためには、収益のバリエーションを確保する必要がある。今、好調だからこそ、金利だけに依存しない収益ポートフォリオの競争力を高めておく──それが新中計の根底にある思想だ。
この考え方は、OHR(経費率)の改善方針にも関連する。OHRの改善と聞くと、コスト削減が真っ先に連想されるかもしれない。もちろん、ITやプロセスの構造改革による経費削減も取り組みの一部だが、川邉氏は、「トップライン(収益)を上げることは、OHRの改善の後押しにもなる」という。
「ただ単に経営基盤の構造改革だけではなく、より新しい価値提供をして新しい顧客層から新しい収益をしっかりいただけるような形でサービスを作っていく。これが投資をかけながらOHRを改善し、さらにトップラインを上げるという構造になる」(川邉氏)
さらに、生成AIの活用も進めている。従来、多くの工数を要していた業務を生成AIで効率化し、そこで生まれた人的リソースを、より付加価値の高い領域へ振り向ける。コスト削減と収益拡大を同時に実現する構造が、ここにある。
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