- 2026/10/07 06:30 掲載
りそなCDIOが描くBaaS・デジタル基盤戦略の全貌、10年後の銀行の姿とは?
JR西日本との提携は、個別案件ではなくプラットフォーム戦略
新中計におけるCDIOの最大のテーマは何か。川邉氏が挙げたのは、これまで培ってきたデジタルサービスのノウハウを生かした、事業会社向けプラットフォーム展開だ。個人向けではJR西日本との「WESTERミライバンク」、法人向けではデジタルガレージとの連携による「DG Bank(仮称)」プロジェクト(後述)──。これらは個別の提携案件ではなく、りそなHDの金融デジタルプラットフォーム構想の延長線上に位置づけられている。
この構想の根底にあるのは、単に銀行アプリを使ってもらうのではなく、JR西日本など他社のサービスを通じて口座や金融機能を提供することで、りそなHDの金融機能を、生活者が日常的に使うサービスへ「溶け込ませる」発想だ。これは、銀行をデジタルチャネルとして外部サービスに組み込むアプローチとも言える。
「我々の顧客基盤をとにかくもっと増やしたいという思いがあります。我々の口座サービスを他社のサービスを通じて提供するという形が、我々がまずやってみたい形です」(川邉氏)
金利が戻ってきた今だからこそ、顧客基盤を持つことの価値は大きい。預金基盤が拡大すれば、運用や貸出の原資が増え、銀行の収益機会も広がる。
ただし、川邉氏は自社の立ち位置について明確な線を引く。りそなグループはあくまで「金融グループ」である。機能的なサービスだけを提供するのではなく、金融サービスをどう届けるかのノウハウもセットで提供する。これがBtoBtoCのBの顧客に対する、りそなならではの価値提供だという。
JR西日本との資本業務提携先として関西みらい銀行を選んだ理由についても、システム面の違いはないと川邉氏は説明する。
「今回は関西経済圏をどれだけコミットしてどれだけそこにベットするかの議論でしたので、関西みらい銀行が組手としては良かったということです」(川邉氏)
とはいえ、BaaSの強みは地域概念を超えてビジネスを展開できる点にもある。JR西日本の営業エリアは関西にとどまらず九州まで及ぶ。デジタルサービスであればなおさら、地理的制約は薄まる。
川邉氏もこの点は否定しない。エリアだけで座組みが決まるわけではなく、企業と企業の戦略、方針、パーパスがどうすり合うかが最も重要だと語る。 【次ページ】「地域価値循環型BaaS」とは何を循環させるのか
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