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  • 「これから注力するのはRisTech」MS&AD CDO 舩曵 真一郎氏に聞くこれからの保険の役割

  • 2019/11/19

「これから注力するのはRisTech」MS&AD CDO 舩曵 真一郎氏に聞くこれからの保険の役割

中期経営計画「Vision 2021」に「デジタライゼーションの推進」を掲げ、デジタル変革に積極的に取り組むMS&ADインシュアランスグループホールディングス(以下、MS&AD)。 専務執行役員の舩曵 真一郎 氏に、同社のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)によるスタートアップ支援をはじめとした新分野への投資、人財育成や今後の保険会社のあり方などについて話を聞いた。

聞き手:編集部 松尾慎司、構成:阿部欽一、写真:大参久人

聞き手:編集部 松尾慎司、構成:阿部欽一、写真:大参久人


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MS&AD インシュアランス グループ ホールディングス
専務執行役員 グループ CDO CIO CISO
三井住友海上火災保険
取締役 専務執行役員
舩曵 真一郎 氏

CVCによるスタートアップ投資では20社、45億円の投資をすでに実行

 デジタル変革に向けた取り組みとして、先進的技術や新しいビジネスモデルを有するスタートアップ企業への投資を加速させています。2018年10月にはCVCをシリコンバレーに設立しました。

 デジタライゼーションによって、紙の情報からデジタルデータに変わり、そこにデータ活用のチャンスが生まれてきました。データ分析、活用のためのプラットフォームを整備し、新たなサービスを提供するときに、スタートアップが有する技術の価値や必然性がクローズアップされてきます。

 こうした最新の動向やスタートアップのリソースを確保するアプローチとして、CVCを設立し、投資という手段を通じて直接的にスタートアップの情報を取得することが有効だと考えました。

 投資についてはROIももちろん大事ですが、本業との親和性を考慮したときに、CVCという形態が最善だと考えたのです。

 この9カ月で20社、中には、サイバーセキュリティに強みを持つインドのルシデウス社や、イスラエルのブドゥー社、天候変動によるリスク分析に強みを持つ米国のジュピター社など、サイバーセキュリティやモビリティ、AIデータ分析、デジタルプラットフォームなどの分野に強みを有する海外スタートアップ企業へ投資を実行し、組成した45億円の投資資金を使い切りました。

 そこで、2019年8月には、CVCの投資枠を最大で約135億円まで拡大しました。今後もCVCによる投資活動を継続し、 最先端テクノロジーと、国内外グループ各社の強みを組み合わせた独自の商品・サービスの開発を促進していきます。

オープンな「共有の場」として、オープンイノベーション推進拠点を開設

 スタートアップとの連携という観点では、CVCのほかにも、2019年2月にシンガポール、4月に東京にオープンイノベーションの推進拠点として「グローバルデジタルハブ(GDH)」を開設しました。

 オープンイノベーションというと、デジタル推進組織や、新規の商品開発などに携わる特定の組織だけが接点を持つと考えられがちです。

 しかし、私はそうではなく、極端にいえば全社員が変革について考え、実行に移すための足掛かりとしてオープンイノベーションに触れるチャンスを持つべきだと思います。

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 自分たちの業務が直面する課題というのは、それぞれのラインごとに異なりますし、同じラインの中でも、取り組む仕事によって悩みの種類は千差万別です。

 そして、特定分野に「とがった」テクノロジーを持ち、細かい課題、ニーズに対応できるのがスタートアップのよいところです。ですから、特定の人だけがスタートアップとの接点を持つのではなく、全員に持ってもらいたい。そういうことを経験して、仕事というのは楽しくなるわけじゃないですか。

 ただ、スタートアップとの連携というのは、最低限、必要な知識というのもある。たとえば、スタートアップの探し方とか、交渉の仕方、どのようにビジネスをビルドアップしていくのかといったことです。こうした最低限の知識や経験がないとなかなか最初の一歩が踏み出せません。

 そこで、イベントや交流会を通じて最先端の動向を学び、触れる場としてGDHを位置づけています。いわば、みんなが“肌感覚でオープンにコミュニケートし、共有”するための場です。

 今までであれば、単なる思いつきで終わったものが、企画、外部設計、プロトタイプ開発といったところまで具現化できるよう、多くの社員が関わっていける環境を構築することが非常に重要だと考えています。

【次ページ】1年で200人のデジタル人財育成にも取り組んだ

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