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  • 2020/01/09

一番安いのはあの世代!世界と比べて「日本人の給与」はどのぐらい安いのか? (2/2)

実はあなたの給料が一番伸びていない!?

 「昔は職場でゆっくり新聞を見ていた上司が多かった」という声をよく聞きます。当時の課長は余裕があったということでしょう。では実際、給料的にはどうなのか。

 もしみなさんがいま、30代中盤から40代であるならば、残念なお知らせがあります。当時の課長とみなさんの給料を比べると、みなさん世代の給料が実はもっとも下がっていることがわかっています。

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年代別現金給与額の上昇・下落率(2018)

 30代中盤から40代といえば一番お金が必要な時期です。だから問題は深刻です。自分が若い頃は上司から飲み会で奢ってもらっていたとしても、自分が上司になったらとてもじゃないけど後輩には奢れない、そんな余裕はない、ということが増えてはいないでしょうか?

 私は若いころ、上司から「上になったら、今度はお前が部下に奢ってあげろ」と言われていました。しかし、われわれ世代(アラフォー、アラフィフ)でこれができる人はなかなかいません。給料が安いからです。

 日本はかつて40歳だった人に比べ、いまの40歳がもらっている給料は、グラフの率だけ下がっています。逆に言えばたった10年前は、現在より1割増しの給料がもらえていたということです。それにしても……。

 2000年代初頭といえばITバブルの崩壊で、就職氷河期の状況でした。このとき社会に出た現在のアラフォー世代に待ち構えていたのは、就職氷河期のみならず、その後の給料水準ダウンだったというわけです。

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就職難と給料水準ダウンという2つの災難が、現在のアラフォー世代を直撃した
(Photo/Getty Image)

日本人の給料は海外と比べても安い

 バブル期の日本映画を見ていると、女性たちがディスコにやってくると、帰宅の際に「タクシー代」と言って男性から1万円をもらうシーンを目にします。日本人はかつて「エコノミックアニマル」と呼ばれ、アメリカ全土の土地を買えるとまで言われた時代もありました。ヨーロッパではブランドバッグを買い占め、入店させてもらえない、なんてことも。でも現在日本は、経済規模では中国にも負け、世界第3位になり下がり、さらに「デフレだ、デフレだ」と叫ばれるようになりました。

 ところで現在の日本の給料は、海外と比較するとどうなのでしょうか。これも結論から言えば大変低い水準にあります。為替の問題や社会保障の細かな制度の違いがありますから、単純比較で結論を出すのは避けるべきです。それにしても……。次の図を見ると、この低い状況には驚きを覚えます。

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各国給与統計(製造業)

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各国給与統計(非製造業)

 エンジニアのみならず、アパレルスタッフも飲食店で働くスタッフも、日本人の給料は先進国の中で比べると極めて低いということです。これを見ると「日本人は高給取り」というイメージは崩れるに違いありません。日本人はもはや国際的には「安い人たち」になっています。日本人の給料は先進国との比較では、決して高いとは言えないどころか、むしろ低い位置にあります。私たち日本人が労働に提供するコストは、たぶん他国と同じくらいでしょう。しかし、給料=リターンが異なるのです。やるせなさを感じてしまいます。

 昨今、有名な外資系IT企業では大盤振る舞いの報道が目立ちます。アメリカの事例ですが、Facebook が従業員に払う報酬の中央値は24万ドル(2590万円相当)、twitter は16万ドル(1730万円相当)と報じられました。

 インド工科大学などの優秀な学生は欧米のIT企業に年収約1500万円で引き抜かれるといった話も話題です。Facebook やtwitter の日本支社で働く社員を知っていますが、彼らもやはり高額の給料をもらっています。中国・通信機器最大手のファーウェイ(日本)も、新卒を40万円で採用するとしています。

日本人が給料を増やしたいと思うなら

 以上、さまざまな解説をしてきましたが、日本人の給料は、海外と比べて安く、リターンが低いのではないかと感じています。ですからもし日本人が「給料が安い」「給料を上げたい」と思うなら、「転職」か「独立」、あるいは「副業」を考えることになるかもしれません。稼げる可能性は「独立>転職>副業」ですが、リスクも「独立>転職>副業」ですから、あとは個々人の嗜好によります。

 その詳細については改めてご紹介したいと思いますが、拙著『日本人の給料はなぜこんなに安いのか ~生活の中にある「コスト」と「リターン」の経済学~』でも言及していますので、よろしければぜひお手に取ってご覧ください。


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