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  • 2020/01/09 掲載

一番安いのはあの世代!世界と比べて「日本人の給与」はどのぐらい安いのか?

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日経平均株価が15年ぶりの高値になる一方で、「景気の良さ」を体感する人はけっして多くないはずだ。それもそのはず。朝の情報番組でコメンテーターとしても活躍中のコンサルタント・坂口孝則氏は「この20年、日本人の給料は右肩下がりになっています」という。それは本当なのか? では世界と比べてどうなのか? さらにどの世代の給料が増えていないのか? これを坂口孝則氏著『日本人の給料はなぜこんなに安いのか』から考える。

調達・購買コンサルタント 坂口 孝則

調達・購買コンサルタント 坂口 孝則

調達・購買コンサルタント。未来調達研究所株式会社取締役。講演家。2001年、大学卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、 資材部門に従業。2012年、未来調達研究所株式会社取締役就任。製造業を中心としたコンサルティングを行う。『牛丼一杯の儲けは9円』『営業と詐欺のあいだ』『1円家電のカラクリ 0円iPhoneの正体』(すべて幻冬舎新書)、『レシートを捨てるバカ、ポイントを貯めるアホ』(朝日新聞出版) など著書多数。

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日本人の年間平均給与額


アベノミクスは成功したというけれど

 先日、新橋の飲み屋で、隣の席に座っていた人たちの会話を聞いたときのことです。パッと見、アラフォーのこの人たちは、数年ぶりの同窓会で懐かしい顔と再会、盛り上がって二次会で飲んでいたようでした。

「なんかさー、安倍さんは景気いい、景気いいって言うけど、ボーナスも大して出なかったし、給料も上がってなくない?」
「あ、それ、オレも思ってた。もうここ7~8年、実は給料上がってないんだよね」
「え! 私も! 全然、生活、楽になってないんだけど」

 そういえばこの間、ノンアルコールチューハイの購買理由アンケートを見ていたとき、少なくない人の購入動機が「アルコールの代わり」ではなく「安いから」であったのを見て、驚いた記憶があります。働けど働けど、生活が楽にならない。実際にはそんなふうに感じている人が多いのではないでしょうか。

日本人の給料は下がっている

 では実際、日本人の給料はどうなのでしょうか? 結論から言ってしまうと、この20年、日本人の給料は右肩下がりになっています。物価は20年間ほとんど変わっていませんので、日本人は全体的に貧しくなったということです。

 図を見ると日本人の給料は1997年にピークの467万円をつけたあと、下降を続け、リーマンショックの後の2009年に406万円になっているのがわかります。そこから先は緩やかに上昇を続けますが、1997年に比べると、その平均は確実に下がっています。 

 アベノミクスがはじまった2012年12月以降を切り取ると、たしかに上昇傾向ではあります。しかし中期的なスパンで見ると、日本はあまり芳しい状態とは言えません。ですから私が居酒屋で出会った人たちを含め、日本人の多くが「なんだか豊かになっていない」と思う感覚は、さほど間違っていないわけです。

 「働く」ということは、自分の時間や労力を使って、給料を得る営みです。一度きりの人生の、時間というコストを使って得られるリターンとしての給料。この給料の実態と、日本人の給料が安い理由についても、みていきたいと思います。

【次ページ】給料が増えていないのは「あの世代」!

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