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- 2020/01/09 掲載
一番安いのはあの世代!世界と比べて「日本人の給与」はどのぐらい安いのか?
経営コンサルタント、講演家。セミナー会社経営。大阪大学卒業後、電機・自動車でのサプライチェーン・調達業務に従業。現在、未来調達研究所に所属。未来調達研究所にて、多くの無料教材を提供中。コンサルティングにくわえて、企業講演、各メディアでの出演・執筆を行う。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」「買い負ける日本」(幻冬舎)等がある。
アベノミクスは成功したというけれど
先日、新橋の飲み屋で、隣の席に座っていた人たちの会話を聞いたときのことです。パッと見、アラフォーのこの人たちは、数年ぶりの同窓会で懐かしい顔と再会、盛り上がって二次会で飲んでいたようでした。そういえばこの間、ノンアルコールチューハイの購買理由アンケートを見ていたとき、少なくない人の購入動機が「アルコールの代わり」ではなく「安いから」であったのを見て、驚いた記憶があります。働けど働けど、生活が楽にならない。実際にはそんなふうに感じている人が多いのではないでしょうか。
日本人の給料は下がっている
では実際、日本人の給料はどうなのでしょうか? 結論から言ってしまうと、この20年、日本人の給料は右肩下がりになっています。物価は20年間ほとんど変わっていませんので、日本人は全体的に貧しくなったということです。図を見ると日本人の給料は1997年にピークの467万円をつけたあと、下降を続け、リーマンショックの後の2009年に406万円になっているのがわかります。そこから先は緩やかに上昇を続けますが、1997年に比べると、その平均は確実に下がっています。
アベノミクスがはじまった2012年12月以降を切り取ると、たしかに上昇傾向ではあります。しかし中期的なスパンで見ると、日本はあまり芳しい状態とは言えません。ですから私が居酒屋で出会った人たちを含め、日本人の多くが「なんだか豊かになっていない」と思う感覚は、さほど間違っていないわけです。
「働く」ということは、自分の時間や労力を使って、給料を得る営みです。一度きりの人生の、時間というコストを使って得られるリターンとしての給料。この給料の実態と、日本人の給料が安い理由についても、みていきたいと思います。
【次ページ】給料が増えていないのは「あの世代」!
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