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  • 2020/03/24 掲載

コロナで苦境? 「会社員を辞めて起業」はどういうリスクを考えればいいのか

連載:大杉潤の「人生100年」時代のキャリア相談所

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今回の相談は、新卒で大企業に勤めて8年になる30歳の会社員。新型コロナの緊急対策として、会社ではテレワークが推進され、入社以来初めて自宅や近くのコワーキング・スペースで仕事をする経験をしました。Web会議などを行うことで、特に支障なく日々の仕事が進む中で、わざわざ都心のオフィスに集まって仕事をする必要性に疑問も感じてきています。もともと学生時代から将来は独立起業したいと考えており、この機会に独立起業に向けた準備を本格的に始めたいと思って相談に来ました。大杉潤の「会社員の起業」に対するアドバイスとは?

合同会社ノマド&ブランディング チーフコンサルタント 大杉 潤

合同会社ノマド&ブランディング チーフコンサルタント 大杉 潤

1958年 東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本興業銀行(現みずほ銀行)に22年間勤務した後、東京都が設立した新銀行東京の創業メンバーに。その後、人材関連会社およびメーカーの人事責任者を経て、2015年より独立し、コンサルタント、研修講師、ビジネス書作家として活動。HRインスティテュート・アライアンスパートナー、リ・カレント プロフェッショナルパートナー、カインドウェア顧問。主な著書に『銀行員転職マニュアル 大失業時代に生き残る銀行員の「3つの武器」を磨け』(きずな出版・2019年)『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書・2018年)『入社3年目までの仕事の悩みに、ビジネス書10000冊から答えを見つけました』(キノブックス・2017年)がある。

WEBサイト:http://www.jun-ohsugi.com


大杉潤への相談内容

(佐山 裕司 <仮名> 30歳)

 新卒で今の会社に入り、ちょうど8年になります。会社での仕事はやりがいもあり、毎日色々な刺激を受けながら自らも成長している実感が持てています。

 ただ、このまま大企業の中で「1つの歯車」として働くことが自分の人生にとってほんとうに望んでいることなのか、改めて問い直してみると、疑問が湧いてきています。

 今回、新型コロナ感染症の緊急対策として、当社でも時差出勤やテレワークが推奨され、入社して初めて、自宅や近所のコワーキング・スペースにて、自らの裁量で仕事を進めるという経験をしました。

 テレワークをやってみると、この「新しい働き方」はとても心地よく、生産性も上がり、ZOOMを活用したWeb会議でも特に支障なく仕事が進むので、これまでわざわざ都心のオフィスに全員が集まって仕事をしてきたことが疑問に感じられるほどです。

 今回の経験を通して、これまで何となく憧れとして抱いていた「独立起業」をして、自分で仕事を創り出すという働き方をしてみたいという気持ちが強くなってきました。

 フリーランスは、今回の「新型コロナウィルス感染症」のような問題が出た時は、収入が激減するなど、大きなリスクもあると思うのですが、景気が回復するタイミングを見計らって独立したいと考えています。

 会社員から独立してフリーランスになられた大杉さんの経験から、(1)独立起業にはどんな準備が必要か、(2)フリーランスとしてのリスクはどんなものがあり、どう対処されているのか、という2点を伺いたく、相談にきました。

大杉潤の答え

 今回の「新型コロナウィルス感染症」とその緊急対策によるイベント開催中止や移動・会合の制限については、経済活動に対して想定以上の大きな影響が出ています。

 しかもこれは日本だけの問題ではなく、WHOが「パンデミック(世界的な流行病)」の宣言をしたことでも分かるように、世界経済全体に甚大なインパクトを及ぼす問題となっています。

「新型コロナ」騒動を機に、「働き方改革」が加速する

 私は、今回の「新型コロナ」騒動については、これを契機として、これまで進んできた「働き方改革」が、世界レベルで加速するのではないかと考えています。

 と言うのは、インターネットが普及し、しかも5G時代に入って、大容量高速通信が可能になれば、どこにいてもリアルタイムでのコミュニケーションが可能になりますし、動画の配信による説明や研修もストレスなく進むようになります。

 そうすると、家賃の高い都市に集積する高層ビルに、わざわざ社員が集まって、決められた勤務時間に仕事をするという必然性がなくなってくるのではと思います。

 企業にとっては、オフィスの家賃や社員の通勤交通費は大きなコストですし、そこを見直すことで、生産性が大きく落ちないのであれば、今後はテレワークを大幅に取り入れる企業が続出するのではないでしょうか。

 今回の「新型コロナ」騒動ではやむを得ず取った緊急措置でしたが、普段からこの働き方でもいいのではないか、という声が多くの企業で出始めているのです。

オフィス以外での働き方をなるべく多く経験しておく

 そうした背景を踏まえて、佐山さんからの質問の1番目である「独立起業」のための準備ですが、まずは会社のオフィス以外で働く「新しい働き方」をなるべく今の会社で多く経験しておくといいでしょう。

 私は、ファミリーカンパニーの名前が、「ノマド&ブランディング」というほどで、実は独立当初から「ノマド・ワーキング」というライフスタイルを実践しています。

 「ノマド」というのはもともと「遊牧民」という意味で、働く場所をその時々で変えながら柔軟に仕事をするというスタイルを取っています。これは、もともと特定の事務所(オフィス)を借りる賃料固定費を抑え、できるだけ低リスクで起業するために始めた方法ですが、やってみると必要な時だけスペースを借りる方式なので、コストも安く合理的なワーキング・スタイルとなっています。

 今はさまざまな場所に、仕事ができるカフェやコワーキング・スペースがあり、PCやスマートフォンと電源、Wi-fi環境さえあれば、大きなオフィスと変わらないぐらい快適に働くことができます。

 佐山さんも、独立した直後は、なるべく固定費を抑える働き方がいいと思いますので、まずは会社で導入したテレワークやテレビ会議などの働き方に慣れておくのが最も有効だと思います。

【次ページ】独立起業の準備は、「入念に」かつ「したたかに」行う

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