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- 2025/07/10 掲載
【独自取材】買収の舞台裏、「破談寸前も」ドコモが住信SBIネット銀行を選んだワケ
ネットニュース編集部で編集者兼記者、デスクを経て2005年6月から独立して現在に至る。専門はモバイル、決済、デジカメ、セキュリティなど。発表会取材、インタビュー取材、海外取材、製品レビューまで幅広く手がける。
ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天のこれまで歴史
今回の買収では、ドコモが住信SBIネット銀行の発行する普通株式を対象とする公開買付を実施。ドコモはSBIホールディングスと一般株主が保有する株式65.81%を取得し、三井住友信託銀行との議決権比率を50%ずつ確保して連結子会社化。これにより、住信SBIネット銀行はドコモグループ傘下となり、ドコモは銀行業へ参入する。携帯業界では、長年にわたって金融業界との連携が進められてきた。
KDDIは2008年に現・auじぶん銀行を三菱UFJ銀行とともに設立。じぶん銀行を通じて2015年からカブドットコム証券と提携し、2019年にはこれを取得してauカブコム証券とした。
ソフトバンクは、さくら銀行・住友銀行(いずれも当時)・ドコモが出資して設立されたジャパンネット銀行(現PayPay銀行)に対し、2006年にヤフーが業務提携し、2018年には連結子会社化した。証券会社では、ソフトバンクが2016年にOne Tap BUYに出資し、その後2021年にはPayPay証券と商号変更している。
モバイル事業出身ではない楽天の場合、2001年設立のイーバンク銀行を2009年に取得。証券会社では1999年設立のディーエルジェイディレクト・エスエフジー証券を2003年に子会社化した。そして2014年にはモバイル事業としてMVNOに参入。2018年に楽天モバイル(現在)を設立して、2019年10月からMNO事業を開始した。
こうした動きに対し、ドコモはクレジットカードを発行して決済事業には参入したものの、長らく本格的な金融事業には乗り出さなかった。前述の通り、ジャパンネット銀行にはドコモも5%ながら出資していたが、これは純粋な投資とみられていた。
キャリア決済は早期開始も…携帯各社の金融事業連携は?
これまで各社の銀行や証券会社との関わりについて触れたが、そこからも分かるように、携帯事業と金融事業の連携を一部で実施していたものの、そこまで深く進めてきたわけではなかった。早期の金融事業との連携としては、iモード以降に携帯料金にあわせてコンテンツ利用料などを支払う携帯料金合算払い(いわゆるキャリア決済)が一般化し、決済に関しては取り組みが進められていた。
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