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- 2025/07/09 掲載
なぜJRE BANKは「1年54万口座」も獲得? 「楽天銀行と連携」戦略がハマったワケ
フリーのテクニカルライター。コンシューマからエンタープライズまで、初心者向けの記事からテクニカルな解説記事、広告記事、企業取材記事などを手がける。執筆した書籍はこれまでに約80冊。オールアバウトでは「パソコンソフト」「ワード(Word)の使い方」「MS Officeの使い方」のガイドもつとめる。2008年からWordカテゴリーでのMicrosoft MVP。
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JR東日本グループが銀行サービスを立ち上げた狙いとは?
2024年5月、東日本旅客鉄道(以下、JR東日本グループ)は、同社の子会社であるビューカードとともに、JR東日本グループブランドのデジタルバンク「JRE BANK」を開始した。これは、ビューカードが楽天銀行を所属銀行とする銀行代理業者となり、振込、入出金、定期預金、外貨預金、住宅ローンなどの銀行サービスを提供するものである。仕組みとしては、楽天銀行が自社の金融インフラをBaaSとして提供し、銀行代理業のライセンスを取得したビューカードが、そのBaaSを利用して、自社ブランドの銀行サービスを提供する形態となる。
特徴的なのは、魅力的な特典だ。預入残高などの利用状況に応じて新幹線を含む運賃を4割引としたり、同社サービスを利用するたびにJRE POINTが貯まったりと、同社グループのサービスを日常的に利用するユーザーにとっては、非常に魅力的な特典が用意されている。それもあってか、開始直後は申し込みが殺到するほど好調なスタートを切った。
しかし、そもそもJR東日本グループはなぜ銀行サービスに参入したのか。JR東日本グループ マーケティング本部 Suica・決済システム部門 決済・金融ユニット マネージャー 岡部 征次郎氏は、次のように説明する。
「当社グループは、鉄道を中心にさまざまなサービスを提供しています。そこに独自の銀行サービスを追加することで、既存事業とのシナジーを創出し、お客さまとの長期的なエンゲージメントを強化していきたい、当社グループのファンを増やしていきたいというのが最大の狙いです」(岡部氏)
とはいえ、一般の事業会社が銀行ビジネスに参入することは、けっして簡単ではないはずだ。その取り組みはどのように始まり、進められ、現在、どのような状況にあるのだろうか。 【次ページ】楽天銀行のBaaSを選択した2つの理由
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