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  • 2020/06/17 掲載

コロナ禍の中で何に投資すべき?「ロボティクス」「バイオ医療」など注目業種を解説

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世界中が新型コロナウイルスのまん延に翻弄された2020年の上半期。実体経済と乖離(かいり)した株価の動きに対し、いまなお世界中の投資家が振り回されているが、1つ確実に言えるのは、「ウィズコロナ」時代の到来によって、産業構造は大きな転換点を迎えているということだ。株式市場では、ポストコロナ時代を見据えた企業の選別がすでに始まっているが、投資信託の世界ではどうか。今回は、いまこそ注目したいテーマ型の投資信託(ファンド)の一例を紹介するとともに、こうした商品で失敗しないためのヒントについても解説する。

執筆:楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト 篠田 尚子

執筆:楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト 篠田 尚子

慶應義塾大学卒。銀行にて個人向け資産運用相談業務、投信評価会社にて投資信託の評価・データ分析・市場調査等のアナリスト業務に従事したあと、現職。新聞やマネー誌等各種メディアで投資信託についての多くのコメントを手掛けるほか、投資教育にも積極的に取り組んでいる。

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株式市場では、ポストコロナ時代を見据えた企業の選別がすでに始まっているが、投資信託の世界ではどうか
(Photo/Getty Images)
 

ウィズコロナの世界における、投資信託の選び方

 特定の業種やテーマに沿った銘柄を組み入れる投資信託は、一般的に「テーマ型」と呼ばれる。日本では、これまで日本の投資信託市場でも、IT、資源、環境と、数々のテーマ型の投資信託(ファンド)が設定され、度々ブームを巻き起こしてきた。

 しかし、テーマ型の投資信託は商品保有時にかかるコスト(信託報酬)が相対的に高く、またテーマそのものが株式市場において一過性のブームに終わった例もあり、市場関係者から厳しい目が向けられてきたという経緯がある。

 また、テーマ型の投資信託は、獲得できるリターンが商品売買のタイミング(時期)に左右されやすいこともあり、金融庁が2017年に公表した「顧客本位の業務運営の定着に向けた課題」の中では遂に、「個人投資家にとってハードルが高い」商品であると、名指しで指摘がなされてしまった。

 テーマ型の投資信託に対する視線は厳しさを増しているが、投資信託という商品自体の魅力は変わらない。投資信託の魅力は、最小100円という少額から世界中の各種資産に投資ができることにある。この中には、個人で発掘することが難しい新興企業のほか、やはり個人で直接投資することが難しい地域の株式なども含まれる。

 そんな、投資信託による資産形成を成功させるカギとなるのが、長い期間をかけてコツコツと投資を継続する「長期投資」というテクニックにある。それでは、長期投資と相性の良いテーマ型の投資信託はどのように見極めれば良いのか。

 ポイントは、短期の相場変動に左右されにくい、産業構造の変化が期待できる「成長産業型」の投資信託を選ぶことである。つまり、そのテーマ、または産業そのものが「目覚ましい技術革新によって、人々の生活や産業構造を変える存在になっていくかどうか」が重要なポイントとなる。

 基本的に、一度進んだ技術革新が後退することは考えにくく、こうした成長産業は、長い目で見れば大きな成長の余地が残されている。一時的に株式市場の調整局面を経験したとしても、産業全体の成長余地が大きければ、再び上昇軌道に乗るのも早いというわけだ。今回のコロナ禍では、「ロボティクス」、「バイオ医薬」、そして、「生活密着型のテクノロジー」といったテーマが、成長産業として底力を発揮した。

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コロナ禍では、「ロボティクス」、「バイオ医薬」、そして、「生活密着型のテクノロジー」といったテーマが、成長産業として底力を発揮した
(Photo/Getty Images)
 

商品保有時のコストが低い、ネット専用商品の特長

 前述の通り、テーマ型の投資信託は、コストの高さが指摘されることも多いため、ここからは、近年インターネットチャネル向けに展開されている低コストのテーマ型ファンドを紹介したい。中でも、足元で比較的実績がでている商品を例に挙げる。

 低コストのテーマ型ファンドは、商品購入時の手数料はすべて無料であるほか、保有時にかかるコストも相対的に低く抑えられているのが特徴だ。なお、これは投資信託選び全般に言えることだが、少額から投資信託による資産形成を試してみたいということであれば、まずはネットチャネル向けの低コストファンドを選択肢に入れることをおすすめする。

コロナ禍で注目を集めた業種・テーマ

 テーマとしては定番でありながら、今回のコロナ禍で改めて注目が集まったのが、「ロボティクス」と「バイオ医薬」のテーマであろう。

 近年、ロボティクスの関連技術は産業用ロボットだけでなく、人工知能(AI)、3Dプリンティング、自動運転、医療・介護支援と、実にさまざまな分野で活用が進んでいる。ピクテ投信投資顧問が運用する「iTrust」シリーズの中の『iTrustロボ』という商品は、日本を含む世界のロボティクス関連企業に幅広く投資を行うファンドで、これらのサブテーマを幅広く網羅している。

 一方、バイオ医薬は、新型コロナウイルスの直接的な解決策として治療薬やワクチン開発に期待が高まっているが、まさに「iTrust」シリーズの『iTrustバイオ』が、この分野を網羅している。

 なお、製薬、医薬品関連企業は、元来、景気動向に企業業績や株価が左右されにくいディフェンシブな銘柄の代表格である。対して前述のロボティクスは、企業業績、株価ともに景気動向との連動性が高い傾向にある。よって、この2つのテーマ型ファンドは、分散効果の観点から、併せて保有しても良いだろう。

【次ページ】台頭する「生活密着型テクノロジー」の実力とは

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