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- 2025/08/04 掲載
「日本なら買えるかも」1億円物件に群がる外国人…地方都市で起きている不動産異変
バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
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世界の高級住宅市場、3位は香港、2位はニューヨーク、1位は…?
世界の不動産市場において、ニューヨークと東京は常に注目を集める二大都市だ。パンデミック後の回復期を迎えた両市場だが、その軌跡は対照的な様相を呈している。ニューヨークの高級住宅市場は、パンデミック初期の落ち込みから劇的な回復を遂げた。ナイトフランクの調査によれば、2024年第4四半期における1000万ドル以上の超高級物件取引は世界全体で558件に達し、前年同期比31%増を記録。このうちニューヨークは87件で世界2位と、成長を牽引する市場となった。
ちなみに、1位は153件のドバイ、3位は72件の香港、4位は59件のロンドン、5位は46件のロサンゼルスだ。

マンハッタンなどの高級住宅地では、2020~2021年の停滞期から脱却し、力強い需要回復が鮮明となった。実際、ニューヨークはモナコに次ぐ世界第2位の高額不動産市場としての地位を確固たるものにしており、2024年第4四半期の超高級物件の平均価格は1645万ドルに到達。2023年の金利上昇により市場全体の勢いは一時的に鈍化したものの、超富裕層向け物件は依然として堅調な推移を見せている。
東京の高級住宅価格は世界最速レベルの成長率
一方、東京の高級住宅市場は着実かつ漸進的な成長パターンを描いている。ナイトフランクのプライム・グローバル・シティーズ・インデックスによると、東京の高級住宅価格は2024年第4四半期に前年同期比10.6%上昇し、世界的にも最速レベルの成長率を記録した。円安による外国人投資家にとっての割安感と、日本の歴史的低金利環境が大きく寄与している。
ただし、東京の超高級住宅市場は「マンハッタン、ロンドン、香港といった他の主要都市と比較すると、まだ黎明期にある」とサヴィルズは2025年4月のレポートで指摘。
供給が極めて限定的で、超高級物件開発の経験を持つデベロッパーも少ないことが、市場の成熟を妨げる要因になっているという。
土地制約と高い建設コストにより新規プロジェクトは稀少で、この需給不均衡が価格の安定的上昇を支えている構図だ。 【次ページ】第二都市圏:ロサンゼルスVS大阪
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