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  • 2021/07/28

歴史が浮き彫りにする「ニューノーマル慎重論」、第二次大戦や石油ショックから学ぶ

ビスマルクいわく「愚者は経験に学び、 賢者は歴史に学ぶ」という。コロナをはじめとした一時的な外的ショックで経済が混乱したときに何が起こるのか。第二次世界大戦やオイルショック、9.11などの歴史を振り返り、米モーニングスターのアナリストのプレストン・コールドウェル氏がひも解く。

執筆:Morningstar、翻訳校正:FinTech Journal編集部

執筆:Morningstar、翻訳校正:FinTech Journal編集部

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ジェイク・ヴァンケルセン氏(左)とプレストン・コールドウェル氏
※本記事は、米国モーニングスター社の記事「How The Past Can Shed Light on the Post-COVID Economy」をもとにFinTech Journal編集部が翻訳・再構成したものです。米国モーニングスターの独占的な権利に属しており、私的利用かつ非営利目的に限定します。また、米国モーニングスター及びその関連会社は、本翻訳記事の利用に関して一切の責任を負いません。

パンデミックの長期的影響の因果関係を示す3つの具体的道筋

ジェイク・ヴァンケルセン氏(以下、ヴァンケルセン氏):コロナウイルスは人々がこれまで行ってきたあらゆる物事の方法に大きな変化をもたらしました。しかし、こうした変化のうち2020年以降も留まるものはどれだけあるでしょうか? 未来を予言することはできませんが、その指針を得るために過去を振り返ることはできます。

プレストン・コールドウェル氏(以下、コールドウェル氏):まず、コロナウイルスのような破壊的な出来事が経済と社会にどのような長期的影響を与えるのか、その枠組みを作り上げたいと考えました。

 影響があることはほとんどの人にとって当然のことでしょうが、正確に詳しく考察したいと思ったのです。そこで、パンデミックの長期的影響について因果関係を示す具体的道筋を3つ、特定しました。

 第1に、パンデミックの間、人々が外食など特定の活動を減らすことに慣れてくると習慣が変化する可能性があり、それが消費者行動に永続的な変化を引き起こす可能性があります。

 第2に、次のパンデミックに対する恐れによって、消費者が強い社会的接触を伴う活動への関わりを躊躇する可能性があります。

 第3に、パンデミックの際に発生した埋没費用(サンクコスト)が、消費者と企業の長期経済計算法を変える可能性があります。埋没費用の具体例として、パンデミック時に小売業者が増やしたeコマース機能に対する投資がありますが、これは顧客のオンラインショッピング体験に長期的なプラスの影響を与える可能性があります。

 この枠組みのもと、過去の出来事をいくつか分析しました。これらの出来事を選ぶ際の狙いは、極端ではあるが一時的な外的ショックで経済が混乱したときに何が起こるかを全般的に理解することです。

 パンデミックはこの類いの出来事の一種ですが、戦争、政治的動乱、その他の混乱も同様です。我々は狭義のパンデミックではなく、この幅広い種類の出来事に注目しています。この観点によって、我々の研究はこれまでに見られた他のどの研究とも異なっています。

第二次世界大戦から予測できる、コロナ後に元に戻るもの

ヴァンケルセン氏:あなたがまず注目した出来事は第二次世界大戦であり、それがどのようにして英国のサプライチェーンに混乱を引き起こし、全国的配給制につながったのかについてでした。

コールドウェル氏:英国の配給制は厳しく、バター、肉、ガソリンなど一般的に使用される多くの品目に影響を及ぼし、10年間にわたりその大部分の期間、ある程度続きました。

 なぜこれが今日も参考になる出来事なのか。それは、人々が自分たちの手に負えない理由で数年間商品を深く奪われるという明確な例を提示しているからです。つまりこれは、ソーシャルディスタンスの確保が必要なため消費者サービスを奪われている人々の今日の状況にやや似ています。

 消費者の習慣は変わったでしょうか? 戦後に人々が入手経路を取り戻した後も、配給制の商品の長期消費は落ち込んだままだったでしょうか? 我々の分析では答えはノーです。戦時中の配給はほとんどの場合、戦後完全に回復したため、長期的には大きな影響はありませんでした。

ヴァンケルセン氏:2020年は誰もが在宅勤務をした時期でしたが、第二次世界大戦は多くの女性が家を出て労働力に加わった時期だとしばしば考えられています。

コールドウェル氏:確かに。人々が働き方を劇的に変えたもう一つの歴史的出来事は、第二次世界大戦中の米国の、女性労働力参加の急増でした。

 しかし、これらの女性の多くは終戦後に労働力を離れました。確かに米国の女性の労働力参加は20世紀を通じて着実に増加しましたが、第二次世界大戦それ自体は、すでに存在していた傾向を多少加速させたに過ぎなかったようです。

【次ページ】価格が下がっても以前の消費水準には戻らない

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