• 2026/06/11 掲載

政府、装備品の生産基盤強化と輸出支援に向け「防衛公社」設立を検討

防衛装備品量産体制の構築と、防衛産業の国際展開を後押し

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政府が防衛装備品の生産基盤強化と輸出促進を担う新法人「防衛公社」の設立を検討していることが明らかになった。年末改定の安全保障関連3文書に方針を盛り込み、来年の通常国会での関連法整備を目指す。有事を想定した量産体制の構築と、防衛産業の国際展開を国主導で直接後押しする。
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(画像:ビジネス+IT)
 政府が進める「防衛公社」の設立構想は、独立行政法人のような外部組織を通じ、防衛装備品の生産管理と輸出支援を一体的に担わせる枠組みである。日本の防衛産業はこれまで平時を前提とした生産体制を維持してきた。今後は戦闘を継続する継戦能力を確保するため、弾薬や無人機といった消耗の激しい装備の量産体制整備へ軸足を移す。

 公社は装備品の生産工場を直接管理し、民間企業と共同事業体を組成して技術・生産基盤を底上げする役割を担う。国が施設を保有し民間が運営を担う「GOCO」方式の導入も検討されており、公社が事業の主体として機能する計画が浮上している。防衛力の抜本的強化に関する有識者会議の報告書や財務省の資料においても、国が管理しつつ民間資金を呼び込む手法として公社設立のアイデアが提言されていた。

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【図版付き記事はこちら】政府、防衛装備品調達と防衛産業強化に向け「防衛公社」設立検討(図版:ビジネス+IT)

 さらに、防衛装備品の輸出促進においても公社が中核的な役割を果たす。政府は防衛装備移転三原則や運用指針の見直しを進め、殺傷能力のある武器の輸出や国際共同開発品の第三国移転など、段階的に規制緩和の措置を講じてきた。移転可能な装備品の枠組みが拡大する一方で、防衛関連企業の単独での海外展開には限界がある。

 公社は輸出先政府との交渉や国内企業とのマッチングを担う専門的な仲介機関として機能する。装備品を海外に移転した後の、現地での運用指導や継続的なメンテナンス体制の構築も公社の業務に含まれる。自衛隊が直接これらを担うのではなく、公社が退職自衛官を雇用し、操作方法の教育や技術支援を現地で提供する体制を構築する。

 防衛産業を国の防衛力そのものと位置づける政府の方針に基づき、防衛生産基盤強化法を通じた資金供給や技術支援の制度は既に動き出している。防衛公社の設立はこうした支援策をさらに進め、国が直接的に防衛産業の生産基盤を管理・育成する体制への構造転換を意味する。

 政府は公社設立の権限や事業範囲に関する具体案を詰め、年末に改定予定の国家安全保障戦略など3文書に基本方針を反映させる。その後、来年の通常国会に関連法案を提出し、迅速な組織の立ち上げと稼働を目指す。

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