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- 2026/07/24 06:50 掲載
条件だけじゃJRに「惨敗必至」の京急…それでも“愛され路線”になれた、他にない武器
1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学教育学部社会科社会科学専修卒。「東洋経済オンライン」「ITmedia」「マイナビニュース」などに執筆。Yahoo!ニュースエキスパート。単著に『京急 最新の凄い話』(KAWADE夢文庫)、『関東の私鉄沿線格差』(KAWADE夢新書)、『JR中央本線 知らなかった凄い話』(KAWADE夢文庫)など。共著に『関西の鉄道 関東の鉄道 勝ちはどっち?』(新田浩之氏との共著、KAWADE夢文庫)、首都圏鉄道路線研究会『沿線格差』『駅格差』(SB新書)などがある。
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巨大JRに包囲された京急、それでも沿線民が離れないワケ
私鉄には、JRとの競合が激しい路線と、そうではない路線がある。東急田園都市線、小田急電鉄小田原線、西武池袋線などは、JRと直接競わなくてもよい路線である。一方、京成電鉄や京王電鉄は、JRとの厳しい競争環境に置かれている。
その中でも、関東圏の主要私鉄でJRとの競合が最も激しいのは、京急電鉄ではないだろうか。
品川~横浜間では、JR東日本の上野東京ラインと京浜東北線が京急のすぐ近くを走る。横浜から逗子や久里浜方面へ向かう場合は、横須賀線という選択肢もある。羽田空港に向かう場合も、競合する東京モノレールはJR東日本のグループ会社である。さらにJR東日本は、羽田空港アクセス線を建設している。
京急は泉岳寺駅から都営浅草線に乗り入れているが、都心方面へ向かう場合にもJR東日本の各路線と競合する。まさに、どこまで行ってもJRが横にいる状態だ。
しかも、JR東日本にとって、京急と競合する区間は広大な路線網の一部にすぎない。これに対して京急は、ほぼ全営業エリアでJRグループとの競争を迫られている。路線規模や輸送設備だけを比べれば、競争条件は最初から対等ではない。ぱっと見れば、京急のほうが明らかに不利である。
それでも京急は、沿線住民から高い「愛線心」を抱かれる路線をつくってきた。運賃の安さは、京急自身も魅力として押し出しているところだ(これは後ほど解説する)。だが、京急の強さは、それだけではない。京急には、JRにはない、日常的に使うほど実感できる強みがある。沿線住民はそうした京急の良さをよく知っているのだ。
競争条件は、京急のほうが明らかに悪い。それでも、はっきり言って京急はJRに勝っている。では、条件面では「完敗」のはずの京急は、いったい何を武器にJRと渡り合っているのだろうか。
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