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  • 2024/08/15 掲載
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生成AI活用によるビジネス変革が多くの企業で本格化し始めている。日本生命グループのはなさく生命保険もそのうちの1社だ。同社は課題が山積しているコールセンターに生成AIを取り入れ、2026年度中までに現状から25%の生産性向上とCX(顧客体験)の向上を目指すという。そのため、日本アイ・ビー・エム(IBM)が提供する生成AI開発プラットフォーム「watsonx」を採用した。そこで今回、はなさく生命保険 取締役 CS戦略部長の西藤 泰輝氏と、日本IBMで日本生命グループを担当する田鍬 信弥氏に、生成AI活用の取り組みとともに、金融機関におけるコールセンターの未来像について語り合ってもらった。

CEOの63%が「生成AI活用は最優先」

──生成AIへの期待感が高まっていますが、こうした状況をどのように見ていますか。

日本IBM 田鍬 信弥氏(以下、田鍬氏):業務改革だけでなく、実際のビジネスに生成AIを組み込み、新しいビジネス価値を創出することに期待する経営層は増えています。たとえば、「CEOの63%が生成AI活用のトップ・プライオリティとして顧客サービスを挙げ、経営幹部の85%が『2年以内に生成AIが直接顧客とやり取りするようになる』と考えている」という数字もあります。

 こうした状況下で、金融機関のコールセンター領域で生成AIを使った業務改革の取り組みを進めているのが、日本生命グループのはなさく生命保険さまです。

はなさく生命保険 西藤 泰輝氏(以下、西藤氏):当社のコールセンターの目指す姿は「デジタル技術を活用した顧客体験(CX)向上(DX for CX)」にあります。これは、お客さまの保険ご加入からお支払いまで、一貫した最適なCXを「安心」「安全」に届けることです。そして、そのためには応対品質や生産性の高いコールセンターが求められています。

 しかし、現状は紙のマニュアルが多く、オペレーターの検索に時間がかかることや、さまざまなツールに情報が分散し、集約されていないという課題がありました。また、オペレーターによる対応が難しいときに管理者にヘルプを求める「手上げ」という制度の運用が管理者の負荷を高めていたり、マニュアルやFAQの整備が追いついていないことによる「研修期間の長期化」といった課題もありました(図1)。

この記事の続き >>

  • ・はなさく生命が抱える「2つの課題」
    ・生成AIを活用した「2つのシステム」を開発中
    ・両者が口をそろえて「当初は生成AIを信用していなかった」と語った真意
    ・生成AIがもたらす「未来のコールセンター」

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