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2014年09月12日

連載:あの業界のグローバルランキング

アパレル業界の世界ランキング:ユニクロはH&MやZARAを超えて世界一になれるのか?

リーマンショック以降、日米欧の消費者は、ファッションに高品質を求めつつ、低価格志向も一段と強めた。その結果、世界のアパレル小売業界でも、低価格SPA(製造小売業)が急成長を遂げている。いかに大量生産・大量販売を実現するかが競争力の分かれ目となるSPAは、日米欧を問わず、積極的にグローバル化を進めている。彼らが虎視眈々と狙っているのは新興国、わけても経済成長著しいアジア市場だ。その中で、「ユニクロ」を展開する日本発のSPAであるファーストリテイリングが、欧米勢に伍して市場の主導権争いに名乗りを上げている。

執筆:野澤 正毅

なぜアパレルビジネスを支配するのが欧米企業なのか

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 アパレル(既製服)は生活必需品の一つであるが、同時に“ファッション”のメインアイテムでもある。そこには機能性や文化・慣習の反映だけではなく、デザインやトレンドといった付加価値も求められる。とりわけ、日本や欧米などの先進国においては、アパレルは消費者のライフスタイルと密接に結びついた商材であると言えよう。

 アパレルとひと口に言っても、スーツやワイシャツといったビジネスウェア、Tシャツやジーンズといったカジュアルウェア、肌着や靴下といったインナーウェア、スポーツウェアといった、さまざまな種類がある。

 たとえば、ワイシャツやインナーのように、百貨店や専門店が単品でメーカーから仕入れ、売場を自主編集しているアイテムもある。しかし、アパレルの多くは現在、アウターからインナーまでのデザインを統一した「ファッションブランド」として打ち出されている。

 ファッションブランドは、主として専門のブランドショップで販売されている。売場でブランドのコンセプトを演出し、コーディネートを提案し、アイテムをセット販売するのが狙いだ。たとえば、百貨店にも、インショップ方式でブランドショップが並んでいるのをご存じだろう。

 こうしたブランドショップの台頭がもたらしたのが、生産ラインと店頭の直結だ。アパレルメーカー(といっても、ブランドの多くは自社で生産機能を持たず、協力工場に生産を委託しているケースが多い)とアパレル小売業の垣根が崩れ、アパレルの企画・生産から販売までを一貫して手がけるSPA(製造小売業)が派生し、今やSPAはアパレルビジネスの主流となっている。

 こうしたSPAへの展開をリードしてきたのが、成熟した巨大な市場をバックに発展し、ブランドビジネスに長けた欧米のアパレル企業である。

 アパレルビジネスは、もともとドメスティックな産業だった。たとえば、日本では着物、インドではサリーといったように、世界各国には今でもさまざまな民族衣装がある。とはいえ、国際政治やビジネスの場面を見ればわかるように、現在のファッションシーンで世界標準となっているのは“洋服”である。したがって、洋服の源流である欧米がアパレルビジネスのイニシアチブを握っているのは、当然の帰結とも言える。

日本発SPAのユニクロが世界第6位にランクイン

 こうしたアパレル小売業の売上高のグローバルランキングは次のとおりである。
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アパレル業界の世界ランキング


 ご覧のように欧米勢が圧倒的に強いことが見て取れよう。また、世界規模でSPA型のビジネスモデルを構築した新興企業も目につく。

 世界第1位のアパレル小売業は、米国のTJXカンパニーズである。米国での事業が中心で、日本には進出していないため、知らない人も多いだろう。有名ブランドの過剰在庫などを仕入れ、ディスカウントストアよりも大幅に値引き販売する「オフプライスストア」という業態が主力である。創業は1919年で、米国市場で強まる低価格志向を追い風に、ここ十年ほどで急成長した。

 世界第2位はスペインのインディテックス。社名に聞き覚えがなくても、「ZARA(ザラ)」というショップ名なら、ご存じではないだろうか。SPAの欧州代表と呼べる企業で、1985年の設立。高感度のアパレルをリーズナブルな価格で提供、世界80カ国以上で店舗展開している。日本には1998年に上陸し、ファッションだけでなく、2013年にはインテリアショップ「ZARA HOME(ザラホーム)」も出店している。ほかには、マッシモ・ドゥッティ、ベルシュカ、オイショ、プル・アンド・ベアなどのブランドを展開している。

【次ページ】ユニクロは世界一になれるのか?

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