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- 2024/05/28 掲載
断トツ「介護保険料」が高い都道府県とは? 最安山口県より2,000円も負担が重いワケ
加谷珪一(かや・けいいち) 経済評論家 1969年宮城県仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。 野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。著書に『貧乏国ニッポン』(幻冬舎新書)、『億万長者への道は経済学に書いてある』(クロスメディア・パブリッシング)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)、『ポスト新産業革命』(CCCメディアハウス)、『新富裕層の研究-日本経済を変える新たな仕組み』(祥伝社新書)、『教養として身につけておきたい 戦争と経済の本質』(総合法令出版)などがある。
費用の半分は税金から支出されている
厚生労働省は2024年5月14日、65歳以上の高齢者が2024~2026年度に支払う介護保険料の全国平均が月額6,225円になったと発表した。前期と比較すると3.5%の増加となっており、過去最高を更新した。保険料は40~65歳までの現役世代については、各人が加入している医療保険を通じて給料から引き落とされる。65歳以上の高齢者については、年金を受給している場合、年金からの引き落としとなり(特別徴収)、無年金もしくは年金の額が低い場合には直接納付となる(普通徴収)。
今回、金額が上がったのは、65歳以上の高齢者が納付する保険料で、3年に1度見直しが行われている。高齢者が納める保険料は自治体によって違いがあり、国民負担の大きさが異なる。
介護保険料が最も高いのは大阪市で9,240円、最も安いのは東京都小笠原村で3,374円となっており、大阪市と小笠原村では3倍近い差が生じている。都道府県別でもそれなりの違いがあり、最も高いのは大阪府で7,486円、最も安いのは山口県で5,568円だった。
保険料にここまで違いが生じるのは、介護事業者に対する支出額が地域によって異なるからである。基本的に介護を受ける人(要介護者)の数が多ければ多いほど、事業者に対する支出が増えることになるのだが、要介護者数は必ずしも高齢者の数に比例しているわけではない。 【次ページ】保険料を左右する要素とは?
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