- 2026/03/11 掲載
イーロン・マスク氏のX、デジタル決済機能「Xマネー」を来月より開始へ
X上で決済機能を提供、個人間送金や預金口座開設などが可能に
「Xマネー」は、Xのアカウントに直接紐づけられたカストディアル型のデジタルウォレットである。主な機能として、個人間(P2P)送金、商品の購入、請求書の支払いなどが提供される。クリエイターにとっては、フォロワーからの投げ銭やサブスクリプション収入を直接「Xマネー」の残高として受け取り、銀行口座を介さずにそのまま消費できる仕組みが構築される。
決済処理においては決済大手Visaの「Visa Direct」技術を採用し、銀行間清算を介さずにリアルタイムでの支払い処理を実行する。Xはこれまでに米国において40以上の州で送金業者のライセンスを取得しており、金融犯罪捜査網(FinCEN)への登録も完了している。現在一部のユーザー向けに実施されているテスト版の仕様では、米国における従来の銀行預金口座を上回る年利6%の利回りが設定されている。
この預金は提携先の金融機関であるCross River Bankによって保持され、連邦預金保険公社(FDIC)の保護対象として最大25万ドルまで保護される。また、利用状況に応じて3%のキャッシュバック特典が付帯するVisaブランドの金属製デビットカードの提供も含まれている。初期の展開においては、法定通貨による決済機能に特化する。
マスク氏は過去に暗号資産「ドージコイン(DOGE)」への支持を公言していたが、現時点で「Xマネー」に暗号資産決済の機能は組み込まれていない。将来的なビットコインやイーサリアムなどのデジタル資産の統合については計画されているものの、法令順守を優先して法定通貨ベースの基盤を確立することを先行させている。
マスク氏は1999年にオンライン銀行「X.com」(後のPayPal)を共同設立した経緯があり、今回の展開はデジタル決済領域への本格的な再参入となる。同氏はXの買収当初から、中国の「WeChat」のようにSNS、動画配信、メッセージング、金融サービスを統合した「万能アプリ(Everything App)」の構築を目標に掲げてきた。金融機能を内包することでプラットフォーム内の経済圏を確立し、外部の金融機関を介さない一元的な取引環境の構築を進める方針である。
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