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- 2026/01/23 掲載
イーロン・マスク氏「人型ロボットは2027年に販売、人口を上回る数になる」
SpaceX「Starship」により宇宙輸送コストを大幅に削減、宇宙空間でのAIデータセンターの設置も計画
初登壇で語ったAI・ロボの未来像
対談でマスク氏が繰り返したのは、AIが安価かつ遍在し、ロボットが広範に行き渡ることで、モノとサービスの供給制約が薄れ、世界経済が「前例のない拡大」を迎えるという見立てである。米WIREDによれば、マスク氏は「ほぼ無料、もしくはそれに近いAI」と「遍在するロボティクス」がそろえば、人間の要求を「飽和させる」ほどの供給が可能になると述べた。ロボットは将来的に「何十億体」規模に増え、人間の数を上回るとする発言も報じられている。
AIの到達時期についても踏み込んだ。Business Insiderの速報では、マスク氏は「今年末までに、どの人間よりも賢いAIが現れる可能性がある。遅くとも来年末まで」と述べたという。さらに「5年後には、人類全体を合算した知能より賢い」との趣旨の発言も記録されている。スペイン紙Cinco Diasも、マスク氏が2026年末02027年に人間並みのAIが登場し、2030~2031年に「人類全体を上回る推論能力」を持つAIが「あり得る」と語ったと伝えた。
加えて、マスク氏は「老化は非常に解決可能な問題だ」と述べ、細胞が一様に老いる現象から「中心となる生物学的な時計」があるはずだとの見方を示したと報じられている。長寿化が進めば社会の新陳代謝が鈍る可能性にも触れた。
宇宙開発では、スペースXの次世代ロケット「Starship」を年内に完全再使用化し、宇宙輸送コストを「100分の1にする」との主張を繰り返した。
一方で、ロボットとAIの普及には安全面の慎重さが欠かせないとの警戒も示した。マスク氏はSF映画「ターミネーター」のような未来を避けるため、ロボティクスは「非常に用心深く」あるべきだと述べた。
人型Optimusの販売時期と量産課題
人型ロボット「Optimus」をめぐっては、具体的な時間軸が示された。マスク氏はテスラの工場でOptimusが「単純な作業」を担い始めていると説明し、2026年中により複雑な作業へ広げる見通しを語った。さらに工場内で「単純な作業」を実行しているとした上で、2027年に一般消費者が購入できる段階になる見込みだ。
ただ、量産と市場投入は「宣言」だけで進むわけではない。マスク氏は時期を示しつつも、実装段階では信頼性や安全性、サプライチェーン確保が論点になる。マスク氏が過去にもロボットや自動運転で強気の期限を掲げ、現実には遅れが生じてきた経緯を踏まえ、今回の予測も「定義や前提」に左右されるものとみておいたほうがよさそうだ。
とはいえ、テスラが「車メーカー」から「ロボティクスと自律走行の会社」へと自己定義を拡張していることは、投資家や規制当局にとっても見過ごしにくい。Optimusの進捗は、EV市場の成熟で成長ストーリーが問われるテスラにとって、次の収益源候補として位置付けられている。 【次ページ】ロボタクシー普及と規制当局の壁
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