• 2026/04/27 掲載

【ステーブルコイン元年】ドル離れが進んだ結果、米国が取ったまさかの“逆転策”

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ステーブルコインが世界の決済を塗り替えようとしている。「ドル離れ」が静かに進む中、米国はまさかの“逆転策”に打って出た。これは、日本のビジネスパーソンにとっても対岸の火事ではない。海外取引や給与、日常の支払いにまで影響が及ぶ可能性があるからだ。2026年に起きようとしていることを、楽天ウォレット シニアアナリストの松田康生氏が解説する。
執筆:楽天ウォレット シニアアナリスト 松田 康生

楽天ウォレット シニアアナリスト 松田 康生

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想を始め、2021年のBTC価格のピーク800万円や2024年末の1,550万円を、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。著書に『世界一やさしい暗号資産・ビットコインの教科書1年生』(ソーテック社)、『暗号資産で100万円が消えた僕に儲かる方法を教えてください! 暗号資産アナリストから学ぶ「1億円を目指す」投資法』(翔泳社・共著)がある。

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「ドル離れ」が静かに進む中、米国はまさかの“逆転策”に打って出た…これは、日本にとっても対岸の火事ではない
(画像:本文をもとにAI(Gemini/Nano Banana)を使用して生成)
※本記事は『お金の世界を可視化する 教養としてのビットコイン』を再構成したものです。
■ 登場人物 ■
松田さん
東大→国内最強のメガバンク三菱UFJ銀行のトレーディング部門で活躍し、ドイツ銀行グループに転職。暗号資産の時代が来ると予見し、2018年から暗号資産業界に身を投じる。2024年にはビットコインの価格予想が的中。エリートらしからぬ、知識ゼロの人にもわかりやすいユーモアを交えたやさしい語り口が人気。

アワタニ
30代サラリーマン。ビジネス書は多少読むが、投資は全世界株式インデックスを積み立てで少額やっているのみ。暗号資産は気になっているものの、怪しい気もして手が出せていない。ニュースでビットコインが最高値更新とか、トランプ大統領が激推ししているなどと聞いて、「これ、知っておいたほうがいいのかも」と思い始めている。

銀行の収益構造を揺るがす“黒船”ステーブルコイン

アワタニ:ステーブルコインが定着すると、銀行はどうなりますか。

松田さん:暗号資産決済が広まらない原因の1つは、法定通貨への交換を銀行がしなかったからなので、法整備が進めば銀行がするようになって暗号資産決済は一気に広まるでしょう。企業や個人どうしが直接お金をやり取りする際の送金手数料は諦めて両替手数料を取りに行く、って方向になるかもしれません。

アワタニ:銀行が送金手数料を諦めるって、大丈夫なんですか。

松田さん:銀行はどちらも取り続けたいでしょうね。でも、どこでどのサービスを利用するかを決めるのはユーザーですから。ウーバーがステーブルコインを決済に使おうとしていますが、カード決済、QRコード決済、ステーブルコイン決済って並んだときに、ユーザーがどれを選ぶかは銀行には決められません。

アワタニ:送る側と受け取る側が自由に、そして低コスト・低リスクで送金できる方法が生き残りそうです。

松田さん:海外の人たちとお金を送り合うニーズはさまざまなので、それらを1つずつクリアすることがステーブルコインを広める最大の課題でしょう。

「2026年はステーブルコイン元年」といえる米国の動き

アワタニ:ステーブルコインが広まると、企業が支払いを円滑にするためにいろんな銀行の口座に預けていたお金は、どうなるんですか。

松田さん:国内送金は銀行、海外送金はある程度ステーブルコインとなる可能性はありますね。欧州の金融機関などは、それにビビっています。

アワタニ:国内は大丈夫だけど、海外送金が必要な大きな企業は、これまで銀行に預けていたお金を引き揚げる可能性があるんですね。何億とか何十億とかの現金が一気になくなったら、さすがに銀行もヤバそう。

松田さん:うーん、大口の預金者が資金を移動するかは微妙です。お金の預け先には信用力が必要で、今は何十億ドルも預けられる暗号資産業者はないかと。

アワタニ:そうか。ステーブルコインを使うってことは、銀行より信用力の低い暗号資産業者にお金を預けることになるんですね。

松田さん:ステーブルコインを自分で管理する方法もありますが、手間はかかるし盗難・遺失リスクもあります。ステーブルコインが普及すると銀行預金が減るとまで言い切れるかは疑問ですし、実は銀行がステーブルコインを預かるって案も出ていて。また、銀行預金とかなり競合するということで、米国でステーブルコインに利息をつけるべきかの議論が紛糾しているんです。

アワタニ:米国では、もうそんな話が進んでいるんですか!

松田さん:利息をつけすぎたら、それこそ預金が流出しかねないと言われています。預金は銀行がお金を貸し出す原資で、貸出を増やし世の中に流通するお金を増やすことで経済を拡大させるのが金融政策ですが、その効果が落ちるのではという議論もあって。まあ、ステーブルコインに利息がつくと預金金利を引き上げざるを得ないのが嫌、っていう銀行の本音もありそうですが。

アワタニ:国が景気をよくしたり抑えたりする政策にまで、ステーブルコインの存在が絡むんですね。そして預金金利を上げると銀行の利幅が減ると。

松田さん:だから米国では、銀行がステーブルコインを発行すればいいって各行が準備しています。JPモルガンなどは、まず自分のところの預金をトークン化して流通させ始めました。米国ではステーブルコインの扱いを決めるジーニアス法が成立し、2027年1月までに施行される予定です。そうしたらウェルズ・ファーゴなど大手商業銀行が次々と参入するのだとか。2026年はステーブルコイン元年ですね。

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【画像付き記事全文はこちら】米国 銀行によるステーブルコイン発行の動き
米国 銀行によるステーブルコイン発行の動き
(画像:本文をもとにAI(Gemini/Nano Banana)を使用して生成)
【次ページ】経済制裁のブーメランで進むドル離れ…米国の“逆転戦略”
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