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- 2025/11/25 掲載
ついに暗号資産に本気?金融庁に新ポスト誕生で…ガラッと変わる“監督体制”の全貌
元毎日新聞記者。長野支局で政治、司法、遊軍を担当、東京本社で政治部総理官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て独立。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。自称「霞が関文学評論家」
近い未来か?金融庁「暗号資産・イノベーション課」の誕生
これまで金融庁は、銀行など伝統的な金融業界の監督・検査(金融ビジネスが適切・健全に行われているかのチェック)に多大なリソースを集中させてきた。しかし、ブロックチェーンなどの技術進展によって金融商品・サービスの在り方が多様化・複雑化が進む中で、役所としても既存の体制の大幅な見直しを迫られているのだ。金融庁は2025年8月末、政府に対し、「暗号資産・イノベーション課」の新設を要求した。今泉氏本人は「直接の担当ではなく、金融庁としての要望を出した以上のことは承知していません」と詳細なコメントを控えるものの、金融庁と内閣人事局との折衝がまとまって新課設置が実現すれば、来年夏にも参事官ポストが格上げされる形で、今泉氏が初代課長に就任する可能性がある。
自らの所掌について今泉氏は「暗号資産交換業者やステーブルコインの取り扱い業者などの監督・検査と、デジタル技術を活用したイノベーションの推進という、二つを兼ねています」と説明する。
続けて、「特に暗号資産については米国でも制度面の議論が進んでおり、日本では資金決済法をベースにしていた監督のあり方を、市場規制の観点も含めて見直す動きがあります。税制についても、昨年度の与党の税制大綱で、資産形成の観点から暗号資産というアセットクラスをいかに扱うべきかという論点が提示されました。こうした制度が動いていくフェーズにおいて、利用者の保護の確保とイノベーション推進をどのように両立させていくのかという課題に対応することが、私の大事なミッションと認識しています」と語る。
今泉氏の部署にはシステムやマネーロンダリングの専門検査官が在籍し、参事官直轄の「暗号資産モニタリング室」も設けられている。「もし不適切な事案があれば、監督・検査の権限を持つ我々の部署で報告徴求や業務改善命令を出すことになります。検査が必要な場合には関東財務局と連携して実態把握を行い、協力して事業者の経営改善を促していきます」という。
暗号資産・ブロックチェーン・イノベーション参事官の役割
海外主要国の政府機関をみると、イノベーション促進と規制・監督の機能のバランスの取り方はさまざまだ。たとえば、ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)のように顧客保護に軸足を置く機関もあれば、シンガポール金融管理局(MAS)のようにイノベーション促進に重心を置く機関もある。日本の金融庁は、その中間的な位置づけを目指していると整理できる。
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