- 2026/07/31 06:30 掲載
金融庁も認める“手つかずの3領域”、地銀・信金がまだ稼げていない支援とは?(2/3)
定番“3サービス”の先、企業が欲しい“手つかずの支援”とは
ここで問われるのが「では地元貢献の姿とは」という命題だ。本来業務としての金融機関は、地元企業や個人に対し資金供給面で貢献を果たすべきである。ただし、これについて金融庁は我々に既にヒントを示してくれている。金融庁が2026年6月に公表した「金融機関の取組みの評価等に関する企業アンケート調査」(下図参照)によれば、事業会社が金融機関から受けたことのあるサービスの多くは、次の3つが中心となっていることがわかる。
(2)取引先・販売先の紹介
(3)(補助金をはじめとした)各種支援制度の紹介や申請の支援
金融庁幹部が民間セミナーなどの場で外部向けに発言する趣旨などからは、金融庁としては「まだ企業側に提供しきれていないサービス領域」に妙味があり、かつ、企業側の需要が存在するはず、とみている様子がうかがえる。
金融機関は今後、他行庫との差別化を図るうえでも、これまで取り組みが進んでいなかった領域でのサービス提供を検討することで、多様化する企業側の需要に応えていくことが期待されている。
自治体が地銀・信金に本当に求める貢献とは?
また、金融庁は地元自治体が抱える真の課題に寄り添い、課題解決に向けた貢献を果たすことで、地域創生に貢献することを地域金融機関に期待している。こうした、地元自治体への貢献の仕方もまだまだ再考の余地がありそうだ。下図は、内閣官房が公表した「2024年度地方創生における地域金融機関と自治体との連携状況」から抜粋したものだ。
地方創生の推進に向けて連携実績がある組織や団体について、全国の自治体にアンケートを取った結果、最も連携実績のある上位2団体・組織として、「大学等の教育機関」に続き「地域金融機関」が登場していることがわかる。この結果は、「今後連携したい先」についても同様であり、自治体の地域金融機関への期待がいかに高いかがみてとれる。
そのうえで、同じ調査の「自治体からみた金融機関がこれまで果たしてきた役割/今後への期待」をみてみると、「会議体への参加」は充足している様子である一方、「地域課題に関する情報提供は、まだ実績は足りないものの、期待は大きい」ことが示されている。
「会議体への参加」は、総合戦略や総合計画などの立案に際して自治体が設置する審議会や委員会に委員やオブザーバーとして地元金融機関が招聘され、当該会議体において地元金融機関の支店長や幹部などが協力している様子がうかがえるところだ。
他方、地元自治体は会議体への参加による協力もさることながら、もっと現場レベルでの個々具体的な自治体や地域が抱える本質的課題への対処の在り方や伴走への取り組み、有意情報の提供を期待しているであろうこともこのアンケート調査からうかがい知ることができる。
では、その「現場の本質的課題」を、金融機関はどうやって客観的につかめばよいのか。ここにこそ、地域貢献の成否を分ける実務のカギがある。 【次ページ】地元課題をどう掴む? RESAS×地域幸福度指標で描く“客観的根拠”
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